ST、革新的なアプリケーションを実現する8 x 8のマルチゾーン対応ToF測距センサ

STマイクロエレクトロニクスは、初のマルチゾーン対応 FlightSense™ ToF(Time-of-Flight)測距センサ「VL53L5CX」を発表した。同製品は、コンスーマおよび産業機器向けの幅広いアプリケーションに高度な測距技術を提供するという。

VL53L5CXは、最大64ゾーンの測距が可能でマルチターゲット検出や、各ゾーンで最大4メートルの測距範囲、および対角63°の広い視野角を実現している。ジェスチャ認識やロボット用の屋内3Dマッピングなどの複雑な空間解析、在庫管理をサポートする貯蔵タンクのレベル検出、液面制御、高効率でスマートなゴミ収集を可能にするゴミ箱のレベル検出などに最適とのこと。

また、ジェスチャ認識と自動人体検知にも応用可能で、セルフサービス型決済端末や、コンスーマ機器、生活家電などにおいて安全な非接触操作を実現すると共に、起動用に使用することで大幅な低消費電力化に貢献する。STの実績あるヒストグラム処理を搭載しており、カバーガラスによるクロストークの影響を大幅に低減できるため、さまざまな種類のフロント・パネルに簡単に内蔵することができる。さらに、新しく採用された革新的なモーション・インジケータ機能により、対象物が動作したかどうかを検出することもできる。

センサ・アレイの数はプログラム可能で、高速測距モードで最大60フレーム/秒、16ゾーン(4 x 4)の出力が可能です。簡単なソフトウェア構成により、64ゾーン(8 x 8)の高分解能出力が得られるため、ビデオ・プロジェクタの台形補正に使用できると共に、AR / VRアプリケーション向けに高精度の簡易深度マップを提供することができる。

VL53L5CXには、低消費電力マイクロコントローラが搭載されており、省電力アプリケーション向けに自律動作も可能。6.4 x 3.0 x 1.5mmの高集積モジュールとして提供され、赤外線VCSEL(垂直共振器面発光レーザー)エミッタ、SPAD(単一光子アバランシェ・ダイオード)内蔵レシーバ、およびヒストグラム・ベースのToF処理エンジンを搭載している。

VL53L5CXは、幅広いツールチェーンに対応しているため、使いやすい評価ツールや較正ツールにより、試作期間の大幅な短縮に貢献する。また、より大きなシステムの試作に組み込むための開発ボードも提供されている。評価ボード「P-NUCLEO-53L5A1」およびソフトウェア拡張パッケージ「X-CUBE-TOF1」は、STM32開発エコシステムを活用したToFアプリケーション開発用ツールであるという。

すべての製品は現在量産中で、オンラインで購入可能。VL53L5CXの単価は、約3.90ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001183.000001337.html