ABLICの技術論文、Best Paper Awardを受賞

 エイブリック(株)以下:(ABLIC)は10月14日~16日までの会期でアメリカ、カリフォルニア州サンノゼで開催された「IEEE S3S Conference」(※1)において論文発表を行い、今回「Best Paper Award」を受賞した。

 今回発表した論文は、立命館大学との共同研究で、「150-nW(※2)FD-SOI Intermittent Startup Circuit for Micropower Energy Harvesting Sensor」と題して、ABLICのCLEAN-Boost®(※3)で使用されているキー・デバイスのスタート・アップ回路に関する内容で、低電圧かつ、低電力の発電源(Energy Harvester)のエネルギーを効率よく利用することが可能となる技術について論じたものである。
これまでは、利用が不可能であった、最低150nWから発電電力を蓄えることが可能で、その蓄えた電力を用いて、昇圧することで無線通信等あらゆるアプリケーションを利用可能とする、というもの。この技術を用いて水滴や細菌などから発生するごく小さな環境エネルギーを活用することで、今後全てのIoTデバイスで半永久的に電源を確保できる可能性が広がることを発表した。

(※1)「IEEE S3S Conference」について
IEEE(アイ・トリプル・イー)とは、アメリカに本部を置き、人類社会の有益な技術情報に貢献する世界最大の専門職団体。「IEEE S3S Conference」のS3Sとは、SOI-3D-Subthresholdの頭文字をとったもの。本カンファレンスは、主に、SOIデバイスやその回路、及び、3D実装などの技術に関する研究や開発の成果が発表されたり議論されたりする国際会議で、今年で45年目を迎える。
(※2)nW (ナノ・ワット):1W(ワット)の10億分の1ワット
(※3)CLEAN-Boost® について
これまでは電力として活用できなかった微小な環境エネルギーを蓄電・昇圧し、無線発信などを可能にするエナジーハ―ベストに最適なABLIC独自の技術。もともとはロッカーほどあったクオーツ時計の機構を「腕時計サイズ」にまで小型化し、わずかな電力で正確に時を刻むことができる、低消費、低電力型CMOS ICの技術開発がベースとなっている。
 参考URL:https://hub.ablic.com/cb

ニュースリリースサイト(ABLIC):
https://www.ablic.com/jp/semicon/news/2019/11/05/best-paper-award/