高速道路におけるトラック隊列走行の公道実証を実施―新東名高速にて ―

国土交通省及び経済産業省では、「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業」の一環として、2018年1月より、まずは後続車両が有人の隊列走行について、後続車無人システム(後続車有人状態)について、実証実験を開始している。

今般、走行距離の拡大を通じてトンネル等の道路環境や夜間走行も含めた多様な自然環境下での技術検証と信頼性向上を図るため、2019年6月25日から2020年2月28日※までの間、新東名高速道路(浜松いなさIC~長泉沼津IC)においてトラック隊列走行の公道実証を実施することとした。
※ 実証期間は実験の進捗状況に応じて変更されることがある。

今年度の公道実証では、2~3台の後続車無人システム(後続車有人状態)について時速70~80kmで車間距離約10mまたは約20mの車群を組んで走行する。さらに、4台の後続車有人システムについても時速70~80kmで車間距離約35mの車群を組んで走行する。これらの実証実験は安全確保の観点から、全ての車両にテストコースで経験を積んだドライバーが乗車する。

これらの実証実験を通じて、以前の実証実験に引き続き、開発中の後続車無人システム等の実現に向けて必要となる機能が設計通り作動することの確認、その信頼性向上と長期データ蓄積を行うとともに、トラック隊列が周辺走行車両の乗員からどのように認識されるか(被視認性、印象等)、トラック隊列が周辺走行車両の挙動(追い越し等)に及ぼす影響等も確認することとしている。

今年度の公道実証で使用する実証実験車両システムの説明は以下の通り
■後続車無人システム―ドライバーによる手動運転を行う先頭車の後方に 1 台または複数台の無人のトラックを短車間距離(最長 10m)で、電子的に連結して走行するシステム。物理的な連結は無い。
■後続車有人システム―ドライバーによる手動運転を行う先頭車の後方に1台または複数台の有人のトラックが協調型車間距離維持支援システムや車線維持支援システム等により運転支援されるシステム。
■CACCシステム(協調型車間距離維持支援システム)―通信で先行車の制御情報を受信し、加減速を自動で行い、車間距離を一定に保つ機能。
■先行車トラッキングシステム―GPS トラッキング制御技術※1、LiDAR トラッキング制御技術※2により、先頭車または先行車への追従走行、車線維持、車線変更を行う機能。
■先頭車運転支援システム―後続車の後側方のカメラ画像やミリ波レーダによる検知情報を先頭車のドライバー席に表示し、先頭車ドライバーが車線変更する際の認知と判断を支援する機能と、道路に設置した LED 情報板により一般車両へ隊列走行車の接近を発報し、合流時の安全確保を支援する仕組み。

※1.RTK-GPS を用いて先頭車の走行軌跡の算出と、横偏差量を検出し、後続車が先頭車の走行軌跡を追従する技術。
※2.LiDAR で検出した先行車との横偏差と傾き角度から算出した目標位置を通過するように後続車が操舵を制御する技術。

ニュースリリースサイト(国土交通省):
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000306.html