凸版印刷、ZETAとAIで病院内施設見守りの実証実験

 凸版印刷株式会社は、LPWA(低消費電力広域ネットワーク)規格ZETA(ゼタ)※1を活用し、センサー検知とAIにより病院内施設のトイレやシャワー室・お風呂などの個室における転倒や利用状況などを可視化できる医療施設向け見守りサービス(以下、本サービス)を開発した。
2019年1月初旬より、医療機器の輸入・販売を手掛ける株式会社メッツ協力のもと、埼玉県総合リハビリテーションセンターの個室トイレで実証実験を開始する。

本サービスは、医療施設のトイレやシャワー室・お風呂などの個室内に人感センサー・開閉センサーなどを組み合わせて設置し、利用者の動きや扉の開閉状況を検知することで、転倒などの利用状況の把握ができる。センサーで検知した情報はクラウド又はオンプレミス※2上に蓄積され、ナースステーションなど別の場所に設置されたPC上で確認が可能です。ZETAの活用により、ワイヤレス医療機器などに使用される既存の通信帯域と異なる帯域での通信が実現するため、診療や看護に支障をきたさず電波干渉を防ぐことができ、医療施設内での導入に適しているという。

 また、AIを活用することにより蓄積された緊急時の検知パターンを学習し本サービスの精度を高め、緊急時の早期発見を可能にする。従来、外から状況を把握することが困難であった医療施設内の個室において、患者の体調急変につながるインシデントや個室の長時間利用の把握を実現するとのこと。

※1 ZETA
ZiFiSenseが開発した、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域での分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格。LPWAの規格のひとつであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、他のLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。

※2 オンプレミス
自社でサーバなどハードウェアを設置・導入し、管理・運用する形態。 ZETAはクラウド上に用意されたZETAサーバの活用が前提となる為、オンプレミスを利用する場合は他のネットワーク規格も含めて現場に合ったシステム構成を検討する。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000164.000033034.html