東工大と東大、ディープラーニング応用で地球センサ・スタートラッカーの開発

東京工業大学と東京大学の研究グループは、深層学習(ディープ・ラーニング)を応用した地球センサおよびスタートラッカー実験装「DLAS」を開発。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプログラムによる小型実証衛星1号機「RAPIS-1」に搭載されるとのこと。

 JAXAが進める「革新的衛星技術実証プログラム」は、民間企業や大学などが開発した機器や部品、超小型衛星、キューブサット(サイコロ型衛星)に宇宙実証の機会を提供するプログラムだ。研究グループは、宇宙空間での観測のための姿勢安定や画像解析に取り組んできた。

 スタートラッカーは恒星を基準点として高精度に姿勢を決定できる姿勢計で、今回、マシンビジョン用の市販カメラとマイコンを組み合わせ、星1つ1つを識別する。識別アルゴリズムは従来法を改良し独自に開発。地球センサは低精度だが常に衛星から見える地球の画像から姿勢の推定が可能。携帯用の超小型カメラが、スタートラッカーのバッフルに各2個ずつ設置。これに組み合わせる画像識別器は、限られた演算速度でも高い精度を達成できるように開発されたようだ。

 人工衛星RAPIS-1は、2019年1月17日にJAXAのロケット・イプシロンロケット4号機に搭載され、鹿児島県のJAXA内之浦宇宙空間観測所から打ち上げ予定。搭載されるDLASは、安価で高性能な民生品を使った低コストのスタートラッカーの宇宙動作実証と、深層学習を用いた世界初のリアルタイム軌道上衛星画像認識実験、さらにその技術を応用した、地形パターン認識による衛星の三軸姿勢計測技術の宇宙実証を行うという。

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