日本発スマート農業サービス「Plantect」韓国・中国市場へも

 ボッシュ株式会社は、環境モニタリングとAIによる病害予測機能で構成されるハウス栽培作物向けスマート農業サービス「Plantect(プランテクト)」を2019年に韓国と中国で販売する予定。Plantectは2017年8月の販売開始以来、日本国内で累計4,000台以上のセンサー等デバイスを受注しており、韓国と中国への進出によるさらなる事業の拡大を目指す。


・日本国内で累計4,000台を受注
・2019年に韓国市場、中国市場へ進出予定
・対応可能な農作物、病害の種類が増え、より使いやすい料金設定に
・農業ワールド2018へ出展、導入事例を紹介

◇ハウス栽培が盛んな韓国、中国市場へ2019年に進出
 韓国と中国は、日本と同様に施設園芸の盛んな国です。韓国における施設園芸の面積*1は約5万2,000ヘクタール、中国は約380万ヘクタールにのぼる。日本の施設園芸の面積約4万3,000ヘクタールと比較すると、この2か国には大きなニーズが見込める。韓国・中国市場への進出以降、1年以内に日本での販売実績と同等以上の販売を目指している。今後は、韓国、中国に加え、ハウス栽培が盛んな海外市場へのさらなる拡大を計画しているという。

◇対応作物、病害がさらに充実、利用料金もよりリーズナブルに
 現在、Plantectの病害予測サービスの対象となるハウス栽培作物はトマトのみだが、2019年より順次イチゴとキュウリの病害予測サービスを開始する予定だ。日本国内におけるイチゴのハウス栽培市場の規模は約930億円*2、キュウリの市場規模は約1,720億円*2と潜在的な可能性の大きな作物。キュウリは高い湿度を好む作物で、湿度が高いと収穫量が増えるが、病害発生のリスクも高まる。湿度が低くても、別の病気が発生するため、ハウス栽培の作物の中でも特に病害発生への注意が必要となる。イチゴも果実の見た目に影響する病害の発生は収穫量に影響するため、病害予測サービスが収穫量の向上に貢献できると考えられる。現在提供しているトマト向けの予測可能な病害の種類も、灰色カビ病に加え葉カビ病への対応が 2018年6月より可能になった。今後はさらに、うどんこ病やすすかび病など予測の対象を拡大する予定で、イチゴ、キュウリに発生する病害予測についても、順次拡大させる。

 予測の対象となる病害が今後さらに増えるため、病害予測機能の料金を変更した。これまでよりリーズナブルな価格を病害ごとに設定したため、利用者のニーズにもとづき必要な病害予測が選びやすい料金システムになった。
「予測の対象となる病害が増えたことで、よりリーズナブルな価格でお客様にPlantectのサービスが提供できることを喜ばしく思います。」とボッシュ株式会社、代表取締役社長のクラウス・メーダーは述べている。新しい価格設定は、すでに契約をしている顧客、新たに契約をする顧客の両方に適用される。

◇ユーザーのフィードバックをもとに充実させた機能を実装
 販売開始から1年の間に寄せられたユーザーのフィードバックをもとに、Plantectのユーザーインターフェースは改良を重ねている。2018年8月に実装された仕様では、気温、湿度、CO2濃度など様々な数値の表示範囲が広がり、ユーザーによる表示範囲のカスタマイズが可能になった。また、農薬を使用した日、農薬の種類、病害発生日、シーズンごとの栽植密度や収穫開始・終了日などの作付け情報を記録できるようになった。これにより、ユーザーは環境データだけでなく、病害防除の活動についても記録、データのダウンロードができるようになった。さらに、ユーザーから要望の多かったアラーム通知機能も10月中に実装される予定。気温や湿度などが設定した値を超えると、登録されているメールアドレスにメールが送信され、Plantectのサイトにアクセスしなくても、ハウス内の環境の変化を知ることができる。

*1 トンネルタイプのビニールハウスを除く
*2 自社調査による

ニュースリリースサイト:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000237.000005028.html