セルラー通信式浸水センサ( KAMEKER3 )を石川県小松市で試験運用開始。

石川県小松市は、2022年7月から「道路冠水の可能性があるアンダーパス」「排水ポンプ施設」「住宅地内の重点監視水路」など3カ所にセルラー通信式浸水検知センサ(KAMEKER3)を設置し、水害発生時に職員の初動対応を迅速に行うための試験運用を開始した。

■展開背景
近年、日本全国で水害が多発しているなか、各自治体では危機管理型水位計等の機器設置が進められています。しかしながら、これらの機器は設置工事費を含めると1基数百万円になるものが多く、主要な河川等の限られた場所にのみ設置されているのが現状である。
亀岡電子が京都府福知山市で実施した市民へのヒアリング調査によると、「大きな河川の水位や、離れた場所の防災カメラ映像を見ても自分事にならず直接避難に繋がらない」「行政から河川水位情報や防災カメラ映像が提供されているが、ホームページを開いてわざわざ見る人は少ない」「もっと身近な場所の浸水情報を直接知らせてくれるようなセンサがあれば欲しい」という声が聞かれた。セルラー通信式浸水検知センサ(KAMEKER3)はそのような市民のニーズに応える形で、河川ではなく「冠水しやすい道路」や「住宅近くの水路」など、住民にとってより身近な場所の浸水を知らせるための「シンプルで安価なツール」として開発された。

■セルラー通信式浸水検知センサ(KAMEKER3)の特徴
KAMEKER3は、河川の水位を測るセンサではなく、内水氾濫時に早期に浸水する道路脇や、住宅近くの水路脇に設置することで、住民の避難に直結する「より身近な浸水情報」を提供するための商品である。
1.シンプルな機能
・浸水を検知したいポイントにセンサを固定するだけ。システムに関する知識や電気的な専門知識は不要。
2.圧倒的低価格
・他の防災用センサの10分の1程度のコストで導入可。
・ランニングコスト不要で5年間使用できる。
3.土木工事が不要
・乾電池式、セルラー通信式なので、電源引込工事、ネットワーク配線工事が不要。
4.LINEでアラート通知
・専用アプリではなく、広く普及しているLINEを活用。
5.浸水情報を地図上で見える化
・浸水している場所が地図上で赤く表示される。
6.市販の乾電池で2年以上稼働
・市販の単三電池3本、単四電池2本で2年以上稼働。※停電の影響なし。

■小松市における用途
1.アンダーパスの浸水状況を確認するために設置。
2.雨水が滞留しやすい小規模河川に設置されている排水ポンプの正常稼働を確認するために設置。
3.住宅地内の重点監視水路の危険水位を確認するために設置。
 小松市では、浸水を警戒する各地点に防災カメラを設置しているが、大雨時に複数のカメラを監視し続けることは運用上難しいという課題があった。今回、既に防災カメラが設置されている浸水警戒地点のうち3カ所にセルラー通信式浸水検知センサ(KAMEKER3)を設置した。設置したセンサから発信する浸水を知らせるLINE通知と同時に防災カメラ映像も確認できるようになるため、有事の初動対応がより迅速に行えることが期待されている。今期については、試験運用として市役所職員にのみ通知する方法で運用される。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000060321.html