量子センサ型バイオ分析チップデバイスの開発に成功

 岡山大学学術研究院自然科学学域の藤原 正澄研究教授、ゾウ ヤジュアン助教、同大学院自然科学研究科の押味佳裕大学院生らのグループは、大阪公立大学の手木芳男客員教授、松原勤准教授、吉里勝利特任教授、中台枝里子教授、仕幸英治教授、量子科学技術研究開発機構(量研)の西村勇姿博士研究員、量研/名古屋大学の湯川博プロジェクトディレクター/特任教授、馬場嘉信所長/教授、京都大学の小松直樹教授、新潟大学の井筒ゆみ教授らのグループと共同で、ナノダイヤモンド量子センサの利用に適したバイオ分析チップデバイスを開発し、細胞や組織切片・線虫など様々な生体試料において、量子センサ信号を設計通りに再現性良く検出することに成功した。

 本研究成果は、2022年5月1日、「Lab on a Chip」にオンライン先行版が掲載された。
 ナノダイヤモンド量子センサは近年最も注目されている超高感度バイオセンシング技術の一つ。本研究によって、量子センサを利用したバイオ分析チップデバイスの仕様を確実に設計・予測した上でデバイスを作製することが可能となった。マルチウェルプレートや流路チップ・臓器チップなどのチップデバイスで量子センサが利用可能となると期待される。

◆発表のポイント
・高い設計精度でナノダイヤモンド量子センサの信号を検出可能なガラスチップデバイスを開発した。
・細胞や組織・線虫など様々な生体試料がデバイス内で分析可能になった。
・流路チップ・臓器チップなど様々なバイオ分析デバイスへの応用が期待される。

プレスリリースサイト(okayama-u):https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id961.html