TechMagic、ポテトサラダのような惣菜を盛付け可能なロボットを実現

TechMagic(株)は、ポテトサラダのような不定形かつ粘着性の高い惣菜を、高い重量精度で連続的に容器に盛り付けることが可能なロボットの実現に成功した。
惣菜、弁当工場の人手不足解消に向けて商品性や採算性を高めるためのさらなる技術開発を進めていくという。

「盛り付け工程」に立ちはだかる、技術と導入コストの壁
 惣菜や弁当の工場において、前処理や加工の工程では機械化が進む一方で、盛り付け工程には未だに多くの人手が必要とされている。充填機などの既存のソリューションでは、多種多様な惣菜の容器への盛り付けを汎用的に行うことは難しく、大がかりな装置となり導入費用も高額となってしまう。また、ロボットアームのような汎用機械を用いる方法でも、ポテトサラダに代表されるような不定形かつ粘着性の高い惣菜を扱うことが技術的に非常に難しく、既存のロボット製品の組み合わせによる盛付け自動化の実現は困難だった。

ロボットによる高精度での連続盛り付けを、世界で初めて成功※
 TechMagicは「惣菜盛り付けロボット」の実用化に向けた開発を2020年より進めてきた。このたび原理検証用のシステムにおいて、ポテトサラダのような不定形かつ粘着性の高い惣菜を、計量法に定められた範囲内の精度(目標重量の-4%, +10%以内)で連続的に盛付けることに成功した。実際の惣菜をこのような高い重量精度で連続的に盛り付けられるロボットは世界初となる。 ※TechMagic社調べ

実験概要
 実験は実際のポテトサラダ製品と製品用トレイを用いて行われた。従来の盛り付けラインの作業者と同じように、ロボットは食品コンテナに入れられた惣菜をグリッパで一定量つかみ、計量器の上の製品用トレイの上に盛り付けていく。惣菜を商品として販売するためには、盛り付けた重量と目標重量との誤差が一定範囲に収まっている必要があり、ロボットはこの重量精度を満たすまで計量と盛り付け作業を繰り返す。

 ロボットは3次元の距離画像センサを用いてコンテナ内の食品の形状を取得し、食品のピッキング位置での取得重量を推定しながら、目標重量に近づけていくように制御される。ロボットの手にあたる部分には独自に開発した食品用グリッパを用いていて、様々な食材を正確な量をつかむことができるように設計されている。

 75gの目標重量に対し、下限が72g(-4%)、上限が82.5g(+10%)であることが計量法では定められている。実験結果では、99%のサンプルが計量法範囲内の重量となり、高い重量精度でポテトサラダを自動で盛り付けることができた。

 引き続き、重量精度だけでなく、製品の外観やロボットの動作速度を向上させ、惣菜の商品性やロボットシステムの採算性を高める技術開発を行う。実用的で低価格な惣菜盛り付けロボット製品を実現することで、惣菜、弁当工場の人手不足解消を目指すとしている。

ニュースリリースサイト(TechMagic):https://techmagic.co.jp/newsrelease220322/