ST、容量性負荷をスマートに駆動するデュアル・ハイサイド・スイッチ発表

STマイクロエレクトロニクスは、最新のデュアル・ハイサイド・スイッチ「IPS2050H」および「IPS2050H-32」を発表した。これらの製品は、プログラム可能な2つの電流制限値を備え、高いスタートアップ電流を消費する容量性負荷の駆動において優れた柔軟性を提供する。

「IPS2050H」および「IPS2050H-32」は、8V~60Vの入力電圧範囲、および最大耐圧65Vの入力ピンを備え、産業機器において優れた柔軟性と堅牢性を実現する。また、低オン抵抗のパワーMOSFETを内蔵しているため、エネルギー効率の向上と熱損失の低減に貢献する。内蔵パワーMOSFETのシングル・パルス・アバランシェ・エネルギーは、2A時に1Jを超えるため、誘導性負荷の駆動における信頼性が向上する。さらに、アクティブ・クランプ回路を内蔵しているため、高速消磁を実現する。

IPS2050Hは、主電流制限を最大2.5Aに設定可能で、PLCモジュールによって制御される負荷の駆動や、ファクトリ・オートメーション(FA)におけるI/Oペリフェラル、コンピュータ数値制御(CNC)装置、抵抗性 / 誘導性 / 容量性負荷の汎用駆動装置などに最適。IPS2050H-32の最大電流制限は5.7Aと高く、自動販売機などの単方向モータに最適である。電流の作動しきい値と制限値は、外部抵抗を使用して設定できる。また、外付けのキャパシタでスタートアップ電流制限の時間を設定することで、容量性負荷をスマートに駆動できる。

両製品ともに、減電圧ロックアウト(UVLO)機能や、過電圧 / 過負荷 / 短絡 / グランドとの断線 / Vccの断線に対する保護など、幅広い保護機能および診断機能が内蔵されているため、高い安全性と信頼性を提供する。また、個別のエラー信号により、過負荷および接合部の過熱をチャネルごとに通知しする。パッケージの過熱保護向けに、追加のセンサも1つ搭載されている。両製品は、ESD(静電放電)に関するIEC 61000-4-2 ESD、高速過渡に関するIEC 61000-4-4、およびサージ耐性に関するIEC 61000-4-5仕様に準拠している

また、STM32* Nucleoボード用のデジタル出力機能拡張ボード「X-NUCLEO-OUT03A1」および「X-NUCLEO-OUT04A1」、付属ソフトウェア・ドライバ「X-CUBE-OUT3」、「STSW-OUT03F4」、「STSW-OUT03G4」も提供されており、産業用負荷に接続した際の駆動・診断機能の迅速な評価に貢献する。さらに、STM32 X-Nucleo機能拡張ボード向けのソフトウェア「STSW-IFAPGUI」を使用することで、さまざまなデジタル出力機能拡張ボードや付属ソフトウェアを共通のグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)で起動・制御することが可能である。

IPS2050HおよびIPS2050H-32は、小型・省スペースのPowerSSO-24パッケージで提供される。単価は、1000個購入時に約3.19ドル。

* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標。STM32は米国特許商標庁に登録されている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001214.000001337.html