位置情報とセンサ連携による屋内外測位の実証実験を開始

(株)NTTドコモは、LTEに対応した法人向けクラウド型位置情報プラットフォームサービス「かんたん位置情報サービス」において、センサと連携させる屋内外測位の実証実験を東日本旅客鉄道(株)水戸支社、(株)シーイーシーと2月10日から開始した。

「かんたん位置情報サービス」(以下、本サービス)は、サーバーや専用端末、地図データ、ユーザーインターフェースなどをパッケージにしたクラウド型プラットフォームサービスで、位置検索、タイマー通知、エリア通知など位置情報サービスを展開する上で必要な機能を利用できる。また、WebAPI連携機能を活用し、利用者保有のシステムとの連携や用途に合わせたカスタマイズも可能。認知症患者の徘徊対策、ドライバー不足による車両動態管理の効率化など、社会的課題解決のための ソリューションとして多く利用されている。

このたび、GPSを用いた本サービスに、近距離無線技術BLE(Bluetooth Low Energy)搭載のGPS端末(以下、BLEゲートウェイ)と電波を発信するタグやセンサ(以下、BLEタグ・センサ)を連携させることで、屋内位置情報、温度・湿度・二酸化炭素濃度などの環境データやバイタルサインなどを遠隔で確認、可視化できる機能を開発した。これにより、従来の屋外位置情報に加え、屋内でもBLEタグ・センサを使用しシームレスに位置を測位することが可能となり、かつ付加価値のある情報を併せて利用することで、さまざまな業種でのサービス展開が可能となる。連携できるセンサの種類も豊富で、API接続によるお客さま保有のシステムとの連携により、本サービスの仕様にとらわれない柔軟なユーザーインターフェースを作ることもできる。

2022年度のサービス開始をめざし、さまざまな業種での有用性を確認するため、2022年2月から運輸業でのトレーサビリティ、製造業での車両管理や作業員の稼働管理などの実証実験を行う。

運輸業でのトレーサビリティでは、生鮮食材の出荷から販売店への到着までの運搬状況と生鮮食材の温度状態を、BLEゲートウェイとBLEタグ・センサで把握する。物流の一連の流れのトレーサビリティを行い、今まで見えていなかった「生産地から出発する駅まで」、また「到着した駅から販売店まで」の輸送荷物の位置情報と温度状態をデータで取得し、生鮮食材の輸送品質の担保と遠隔での荷物管理の検証を行う。

製造業での車両管理としては、車両と倉庫内に設置したBLEゲートウェイとBLEタグ・センサで、車両の位置情報を把握し、待機車両の誘導や車両の運行効率化が図れるかを検証する。

また稼働管理として、作業員、機器や部屋にBLEタグ・センサを取り付け、屋内に設置したBLEゲートウェイで検知することで、作業員のバイタルサインや部屋の二酸化炭素濃度などを確認することができ、作業員や機器の稼働状況を見える化できます。これにより作業員の健康状態を把握するとともに、取得したデータをもとに業務効率化を図ることが可能かを検証するとのこと。

プレスリリースサイト:https://kyodonewsprwire.jp/press/release/202202107220