キッツ、IoTでバルブの故障を未然に検知、 遠隔監視システムにSORACOM採用

(株)ソラコムは、(株)キッツが進める、バルブの故障を未然に防ぐことを目的としたバルブメンテナンスの遠隔監視ソリューションにSORACOMが採用されたことを発表した。

キッツのバルブ及び流体制御用機器は、下水施設や空調施設、プラントやガスパイプライン、製造業の産業機器や製造設備に至るまで、様々な場所での流体コントロールに用いられている。
国内では、高度経済成長期に建設され、現在も現役で稼働しているプラント数多く存在している。稼働年数が長くなるに従い、老朽化に伴うトラブルの事故のリスクが高まることから、安定創業を実現するための定期点検やメンテナンスなどの保全業務の重要性が増している。一方、保全業務の現場では、熟練技術者及び技能者の高齢化や労働人口の減少、さらには新型コロナウィルス感染症拡大の影響などへの対応が新たに求められている。

キッツは、これまで培ってきた独自のセンシング、IoT及びAIなどの技術を活用し、このたび、プラントや工場における生産プロセス向けに、バルブの異常の予兆検出を行うモニタリングサービス「KISMOS(KITZ SMART MONITORING SYSTEM:キスモス)」として提供を開始した。

KISMOSの特徴
1. サービス導入のコスト、工事時間が不要
機器類は無償にて、利用客の現場に設置。また、既設のバルブにセンサを取り付けるため、生産プロセスを長時間停止することはない。

2.モニタリング業務の負担軽減
キッツがバルブの状態をモニタリングし、定期的なレポーティングを行う。異常の予兆を検出した際には、利用客に連絡し対応方法についてアドバイスする。

3.バルブの異常の予兆をセンサで検出
ボールバルブやバタフライバルブなどのクォーターターンバルブの主な動作不良の予兆はバルブの開閉速度の変化に現れることを利用し、センサをアクチェータの出力軸部に取り付け、バルブの開閉動作の角速度をモニタリングすることで、人の目では判断できないようなわずかな動作の変化を捉える。

SORACOMの活用
・バルブを利用の利用客先で、すぐ設置できるセルラー通信
本システムでは、センサーデータの収集に、データ通信サービス「SORACOM Air for セルラー」を利用している。セルラー通信(LTE)を利用することで、新規のネットワークを敷設することなく、短期間、少ない初期コストで、利用客先に本ソリューションを導入可能。ソリューションに使われるIoT通信の状況をキッツ側で管理することもできる。

・クラウド上のデータ分析基盤にスムーズに連携
これらのデータは、キッツが管理するクラウド上の分析基盤に蓄積される。クラウド連携をサポートする「SORACOM Funnel」を活用し、SORACOM側でクラウド連携の認証を保管・付与することで、デバイス側の設定を最小限に抑え、キッツの分析環境があるクラウド(AWS)への連携を実現する。

プレスリリースサイト(soracom):https://soracom.com/ja-jp/news/20220207-1/