三菱重工、Applus+ IDIADA社と 高度自動運転車両の試験・検証システムを共同開発

三菱重工業(株)、三菱重工機械システム(株)、三菱重工冷熱(株)の三菱重工グループ3社は、スペインに本社を置く多国籍企業で、自動車産業のエンジニアリング、試験、認証を実施している Applus+ IDIADA社(以下、IDIADA社)と、高度自動運転車両の試験・検証システムの共同開発を進めることに合意した。
IDIADA社は、欧州における自動車メーカーの車両の開発・試験・認証に関する長年の実績を持ち、国際規格制定においても貢献しているという。

自動運転システムは、世界的に精力的な開発が進み、今後飛躍的な能力向上と普及が見込まれているが、その安全・安心を保証するためには、自動運転車両が直面する多様な自然環境下においてセンサやシステムが正常に機能することを検証する必要があり、今後、全天候型環境試験に対するニーズが高まることが見込まれる。
これを受け、三菱重工グループ3社は、任意の自然環境(雪、霧、雨、光など)と走行状況の組み合わせを自由に生成して自動運転システムを高精度に試験できる屋内型の統合環境試験装置と、仮想環境下における網羅的検証が可能なシステムをIDIADA社と共同で開発する。
これにより、自動車OEMやセンサメーカーによる自動運転システム開発期間の短縮および開発費用の低減に寄与することを目指すとのこと。

今回の統合環境試験装置の開発にあたっては、三菱重工が有するレーダ波反射・散乱制御技術、三菱重工冷熱が有する空調・冷凍機の環境試験技術、三菱重工機械システムが有する自動車用試験装置に関するシステムインテグレーション技術など、三菱重工グループ3社の技術を結集する。

三菱重工グループは、2021事業計画の成長戦略の一環として、「モビリティ等の新領域」におけるソリューションビジネスの開拓に取り組んでおり、本プロジェクトは「CASE化(※注)を支えるインフラ」をテーマとするさまざまな取り組みの1つに相当する。今後、IDIADA社との協力体制のもと、世界標準の自動運転車両試験・検証システムを確立することにより、安全かつ安心な自動運転システムの社会実装に貢献していくとしている。

(※注):Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語で、安全で利便性の高い次世代型モビリティ・サービスを構築するための自動車産業界における技術トレンドのこと。

ニュースリリースサイト(MHI):https://www.mhi.com/jp/news/21091602.html