ST、高効率の電力変換を実現する高精度オペアンプを発表

STマイクロエレクトロニクスは、MHzのゲイン帯域幅と11V/μsのスルー・レートを備えた高精度・広帯域オペアンプ「TSV7722」を発表した。 同製品は、電力変換回路および光学センサにおける高速信号処理と高精度電流測定に最適という。

TSV7722は、最大200µV(25°Cでの標準値50µV)の入力オフセット電圧とわずか7nV/√Hzの入力換算雑音電圧密度により、高精度のローサイド電流測定が可能。また、標準入力バイアス電流が2pAと低いため、煙式火災報知器などの光学センシング・アプリケーションにおいて、フォトダイオード電流を高精度で測定することができる。ユニティ・ゲインで安定的に動作し、47pFの負荷で仕様が規定されているため、A/Dコンバータ(ADC)の入力バッファとしても使用可能。
動作電圧範囲は1.8V~5.5Vで、マイクロコントローラなどの低電圧CMOS製品と同じ電源から給電でき、低いバッテリ電圧でも動作することができる。さらに、動作温度範囲全体にわたり、優れた精度と安定性を備えているため、高精度の抵抗器や組立て後のトリミングなしで高い精度を実現し、回路設計の簡略化に貢献するとのこと。

TSV7722は、高精度かつ迅速な電流測定を電力変換システムに提供することで、スマート・モビリティ、太陽光発電パネル、通信インフラ、コンピュータ・サーバなどのアプリケーションにおいて電力効率の向上に貢献する。車載用製品は、2021年後半に提供が開始される予定。また、STが提供する長期供給保証プログラムの対象製品として、10年間の長期供給が保証されているという。
TSV7722は現在量産中で、MiniSO8およびDFN8パッケージで提供される。単価は、1,000個購入時に約0.39ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001147.000001337.html