凸版印刷、ZETAを活用した遠隔獣害対策「リモワーナ™」を提供開始

凸版印刷(株)は、次世代LPWA規格であるZETAを活用した罠センサおよび、罠のリアルタイム監視システムを新たに開発。獣害対策支援サービス「リモワーナ™」として、2021年4月1日(木)より販売開始する。

「リモワーナ™」は、獣害対策として設置された「くくり罠」「はこ罠」の捕獲状況を、ZETA通信を用いて遠隔から監視できるサービス。「リモワーナ™」の導入により、携帯圏外の山間部やアクセスに不便な環境においても、効率的に罠の見回り/管理が行える。また、罠に掛かった際は、ハンターや自治体の担当者など、登録したアドレスに捕獲情報を通知することができるという。

▮開発の背景
 野生の鳥獣による農作物被害や人間の居住地域への出没被害が全国で問題となっており、全国で年間約158億円(※2)の農作物被害が出ている。特に収穫前の被害は、営農意欲の減退による耕作放棄地増加の要因の一つとなっており、被害金額以上に深刻な課題となっている。農林水産省としても有害鳥獣対策には年間約100億円以上の予算を確保して取り組んでおり、被害防止のための総合的な取り組みの支援を行っている。一方で、有害鳥獣対策を担う地元狩猟者の高齢化が進み、設置した罠の日々の見回り作業の負荷が大きいことも課題となっている。
 このような中で凸版印刷は、獣害対策を効率的に行うことができるZETAを活用したサービス「リモワーナ™」を2021年4月1日より販売開始。遠隔地にいながら罠の状況をセンシングできるようにすることで、獣害対策に貢献する。
 なお、本サービスの販売開始に先立ち、ZETAを活用した遠隔獣害対策の実証実験を2020年11月17日より福島県大熊町で実施している。(※3)本実証は凸版印刷が提供するZETAを活用した罠センサ・罠の遠隔リアルタイム監視システムをALSOK福島(株)が提供する罠の設置・見廻り・有害鳥獣の捕獲業務までをワンストップで受託する鳥獣被害対策事業に取り入れ、罠の見廻りから捕獲作業における効率化の有用性を検証しているとのこと。

▮遠隔獣害対策サービス「リモワーナ™」の特長
・ZETAの特長である中継器によるマルチホップ(メッシュアクセス)を活かしたサービス
 ZETAでは中継器によるマルチホップ(メッシュアクセス)が可能となる為、イノシシや鹿が生息する山間部など電波が届きにくい場所に対しても、中継機を活用する事で安定的に通信することが可能。
・既存の罠に後付けが可能
 「くくり罠」や「はこ罠」など既存の罠にセンサの後付けが可能。また罠センサにはGPS機能が備わっており、PCやスマートフォンから、設置した罠の位置情報や罠センサの作動状況をいつでも閲覧可能。自治体職員や狩猟者など複数メンバーでの情報共有も可能なため、より効率的な有害獣対策に貢献するという。

▮価格
 罠のリアルタイム監視システム利用料 罠センサー1台あたり月額550円から
(罠センサの数などによって価格は変動します。罠センサなどの各種デバイス代は別途見積り)

▮今後の目標
 凸版印刷は、本サービスを含むZETA関連事業で、2025年度までに約50億円の売上げを目指す。また、リモワーナ™の活用により、今後もスマートシティ実現に向けた社会課題の解決を推進するとしている。

※1 ZETA  ZiFiSenseが開発した、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域の分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWAネットワーク規格。
※2 農林水産省 全国の野生鳥獣による農作物被害状況(令和元年度)
※3 参考プレスリリース: https://www.toppan.co.jp/news/2020/11/newsrelease_201117_1.html

ニュースリリースサイト(TOPPAN):https://www.toppan.co.jp/news/2021/03/newsrelease210318_1.html