エレファンテック、生体電極・電気化学センサ製造開始

プリンテッド・エレクトロニクス技術で新しい基板の作り方を推進し、FPC「P-Flex™」の製造を展開するエレファンテック株式会社は、生体電極、電気化学センサの製造を開始すると発表した。

◇インクジェット基板で作る生体電極


生体電極は、心電図(ECG)、脳波(EEG)、筋電図(EMG)などを計測する用途に使われる電極で、電極にはいくつかの種類があるが、特に“モニタ用としては長時間安定に使用することができ,かつ皮膚と電極との間の分極電圧の低い銀塩化銀(Ag / AgCl)電極の使用が望まれる.” ※1 とされている。

P-Flex™で作る Ag / AgCl 生体電極は、銅配線であるため電極までの抵抗値が銀ペースト等に比べて低く部品実装も可能という利点があり、さらに弊社のインクジェット技術を用いた製造によって下記のメリットがある。
・Ag / AgCl ペースト塗布部分以外は型が必要ないので、短期間にリーズナブルな価格で製造可能。
・中小ロット生産に向いている。
・基材はPETフィルムとポリイミドフィルムから選択することができる。
・Ag / AgCl ペーストの材料の比率調整にも対応可能で、イオントフォレーゼ向け試作等にも対応できる

 ※1石山 陽事, 生体信号計測用センサに求められる性 能, 医機学 Vol.80,No.1(2010), p.21.

◇P-Flex™ PET で作る電気化学センサ


電気化学センサとは、酸化還元電位を利用して状態を知ることができるセンサ。環境、水質分析では、水に含まれる銅やヒ素、水銀の測定などに利用される。また、バイオセンサのトランスデューサー部として血糖値、乳酸、尿糖センサなどに使われている。

P-Flex™で電気化学センサを製造することによって下記のメリットがある。
・線抵抗値の低減。
・金電極を金フラッシュ(金めっき)で作れることによる金ペースト印刷に比べたコストメリット。
・吸水性のない PET ベースなので吸水によるセンサ感度トラブル低減、フローセルなどにも使用可能。
・小ロット生産対応が可能である。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000036441.html
エレファンテックのサイト:https://www.elephantech.co.jp/