Synspective、小型SAR衛星「StriX-α」の画像取得に成功

(株)Synspective(シンスペクティブ:衛星データ解析によるソリューション提供および小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行うスタートアップ企業)は、自社初の小型SAR衛星「StriX-α」の画像取得に成功した。民間の小型SAR衛星(100kg級)の画像取得は日本初とのこと。

StriX-αは2020年12月15日にニュージーランドの マヒア半島にある発射場からRocket Lab社のElectronロケットにより打ち上げられ、予定通りの軌道(太陽同期軌道、高度500km)へ投入された。その後、順調に運用を開始し、2021年2月8日に初画像の取得に成功したという。

■ SAR画像
観測日時:2021年2月8日 12時頃 (日本時間)
観測場所:アメリカ 南フロリダ

■ 今後の展開・災害リスク低減に向けて
今年2021年は、実証2号機「StriX-β」の打上げを予定しており、地表のミリ単位の変動を検出するSAR特有の解析技術「InSAR (Interferometric SAR:干渉SAR)」の軌道上実証を目標としている。
今後2023年までに6機、2020年代後半には30機のコンステレーション(衛星群)構築を目指す。低軌道を周回する30機のコンステレーションにより、世界のどの地域で災害が発生しても、2時間以内に観測することが可能になる(6機では24時間以内)。また、観測したデータを自動解析し、災害時の早期状況把握を実現するソリューションも開発しており、コンステレーションの実現と併せ、世界の災害対応能力の飛躍的な向上を目指すとのこと。

■ StriX-α開発について
Synspectiveは、「StriX-α」の開発に際し、内閣府の「ImPACT(革新的研究開発推進プログラム)」で開発された技術を応用した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)、東京工業大学工学院廣川研究室と共にSARの高密度収納化と小型軽量化を実現、東京大学中須賀・船瀬研究室とは衛星バス機器を開発した。慶應義塾大学白坂研究室は多様な想定ユーザーとの調整を支援した。
今回の初画像取得の成果は、JAXAが推進する共創型研究開発プログラム「J-SPARC」における小型SAR技術の活用等を目的とした共創活動及びこれら大学の協力を得て、Synspectiveが軌道上実証した結果としている。

プレスリリースサイト(Synspective):https://synspective.com/jp/news-press/first-image/