八丈町をフィールドにしたスマート防災の実証試験を開始

応用地質(株)、日本工営(株)、(株)みずほ銀行、みずほ情報総研(株)、(株)BlueLab、は、2020年12月から順次、東京都八丈町と共同で、八丈島での防災IoTセンサを活用したスマート防災の実証試験を開始した。

1.背景
 地球温暖化等の気候変動の影響により、全国各地で大型台風や線状降水帯による豪雨等による水害(洪水・内水氾濫・高潮)や土砂災害が発生し、多くの被害が毎年発生している。
 八丈島は年間降水量が3,000mm超と、全国的にみても多雨地域であり、また、火山由来の複雑な地形と地質条件から、土砂災害の潜在的な危険箇所が多数ある。災害時には、離島という地域特性から、発災前後の防災対応を島内の人員や物資のみで行う必要があるため、いかに島内の状況を迅速に把握し、災害対応のリードタイムを確保するかが重要な課題となっている。
 みずほ銀行、みずほ情報総研およびBlueLabは、本年8月より八丈島においてデジタルテクノロジー等の社会実装を通じた地域課題の解決を図る「スマートアイランド化」の実現に向けた取り組みを開始している(※)。今回の実証試験では、『島のかかえる地域課題の解決』に向け、スマート防災の実現に取り組むため、防災分野に強みを持つ地質調査の応用地質と建設コンサルタントの日本工営が参画したという。

2.実証試験の概要
 本実証試験では、八丈島内に応用地質が開発した土砂災害の発生を検知するIoTセンサ(商品名:クリノポール)および冠水や水路の増水を検知するIoTセンサ(商品名:冠すいっち)を設置し、土砂災害や増水の状況をモニタリングする。
 防災IoTセンサから得られるモニタリングデータはクラウドサーバーに集約され、事前に設定する安全基準を超えたタイミングでクラウドからアラート情報を関係者に通知する。
 このように、本実証試験では発災前後の警戒パトロールや住民・観光客の避難誘導に対する、アラート情報の有効性を検証する。その上で日本工営がどのような防災対策やまちづくりを行うべきかのコンサルティングを行う。地域課題となっている防災に対し、今回得られる災害情報をスマートアイランド化の取り組み全体の中で活用しながら、スマート防災体制の構築を共同で検討していくとのこと。

※【スマートアイランドの実現に向けた取り組み】
 みずほ銀行と八丈町および公益法人八丈町商工会は、「スマートアイランド化」の実現に向け本年8月5日に「キャッシュレス化推進に関する包括連携協定」を締結し、八丈島全体のキャッシュレス化に向けた調査研究と具体化を図り、住民の生活利便性の向上と観光客の便宜向上等に取り組んでいる。
 また、みずほ銀行、みずほ情報総研およびBlueLabは、「デジタル×社会貢献」をコンセプトに、スマートシティやスマートアイランドといった、Society 5.0 の実現に貢献すべく、『デジタルテクノロジー等を活用した新たな社会生活の創造と、それを支える次世代の金融モデルの創造』に取り組んでいる。
 この度のスマート防災の取り組みを通じて、八丈町および島嶼エリアのレジリエンス(防災・減災)の強化に貢献していくとしている。

ニュースリリースサイト(日本工営):https://pdf.irpocket.com/C1954/j9N9/CbZW/r0qo.pdf