壊れない・止まらない社会インフラの実現に資する振動計測ソリューションを開発

OKIは、社会インフラを支える機械設備の老朽化とこれをメンテナンスする労働力不足の恒常化という社会課題の解決に資するソリューションとして、多点型レーザー振動計を開発した。
広範囲に設置された多数の機械設備の振動を1台で常時測定(注1)することが可能で、コストを抑えつつ施設全体の設備の振動を「見える化」できる。機械設備のメンテナンスを効率化し、過剰な頻度のメンテナンスや機械設備の故障による経済損失の解消に貢献するという。

レーザー振動計は、本体に光ファイバーを介して多数の小型レーザー照射部を接続する多点レーザー方式(特許出願中)により、複数の対象物の振動を測定。非接触式であるため、モーターやポンプの回転軸、ベルトコンベアーのローラー、エンジンやタービンのように接触式のセンサを取り付けることができない可動部や、表面温度が非常に高温になる部分の振動も対象に含めることができる。
また、広帯域な周波数に対応し、設備本体のガタツキから部品の小さな損傷で生じる異常振動まで、多種多様な設備のさまざまな要因から生じる振動を高感度に測定することが可能。こうした特長により、施設全体に設置された設備の故障の予兆を網羅的かつ早期に検知し、「壊れない・止まらない」機械設備の運用に貢献するとのこと。

レーザー振動計は、OKIグループのイノベーションコンテスト「Yume Proチャレンジ」から生まれた。OKIは人の接触を抑えるニューノーマルな世界に貢献すべく、同じ「Yume Proチャレンジ」から生まれた遠隔操作型のAIエッジロボットとレーザー振動計を組み合わせ、将来的には施設の完全無人化に対応した設備の遠隔監視を実現することも視野に入れているという。

OKIは、レーザー振動計の商品化に向け、多地点・非接触の振動計測ソリューションが提供する新しい価値を多くの現場で検証するため、共創パートナーを募集している。その第1号として、重要インフラを管理されている水ing(株)とのPOC(概念実証)を実施していくとしている。

注1:OKIの実験環境にて本体と小型レーザー照射部の間を600mの光ファイバーで接続した状態で振動を測定できることを確認済みであり、測定の対象数として100か所程度を想定している。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000414.000017036.html