非常用発電機の新しい保守管理を実現する新遠隔サポートの実証運用

ヤンマーエネルギーシステム(株)〔以下YES〕は、非常用発電機「AutoPackシリーズ(以下APシリーズ)」における遠隔サポートサービスの実証運用を2020年9月より開始する。
(画像:遠隔サポートのフローイメージ)

〔東日本大震災では、防災用自家発電機の内4.8%が不始動・停止状態に〕
非常用発電機は、自然災害などにより停電が発生した場合に、ビルやオフィスでの事業継続を行う上で非常に重要な役割を担っている。一方で、適切なメンテナンス管理を怠ると、有事の際に燃料切れや動作不良などを引き起こすリスクも顕在化。実際に、2011年に発生した東日本大震災においては震度6以上の地域に設置されていた防災用自家発電機の内4.8%が何らかの原因により不始動・停止状態であったという調査結果※1も出ている。近年は毎年各地域で豪雨災害やゲリラ豪雨の様に規模の大きな災害が発生し、2019年千葉県周辺に上陸した台風15号でも一般家庭を含めた約93万戸※2が停電するなど、甚大な被害が発生しているとのこと。

〔国内非常用発電機市場のリーディングカンパニーとしての新たな挑戦〕
YESは国内非常用発電機市場のリーディングカンパニーとして、1984年より業界に先駆けて遠隔監視システム「RESS」を展開してきた。今回さらなる利用者の管理工数低減と安定した機器の管理・運用を目指し、非常用発電機における遠隔監視サービスを拡大していく。尼崎に開設準備中の「CSセンター(仮称)」にも本機能を搭載した非常用発電機を設置し、モニタリングや運用の実証を行う。
本実証では、燃料センサなどから収集した情報を新たに開発した遠隔監視ユニットで自動的にCSセンター内の「リモートサポートセンター(RSC)」に集約し、劣化予測診断や残油通知を行う。これにより、利用者の管理工数や維持コストの削減、点検作業の効率化を実現するとともに、現場にいなくても管理・運転などの対応が可能となることからニューノーマルな働き方への対応も期待される。燃料デリバリーサービスやビッグデータを活用した新しい価値を提供する。
2021年度9月以降に受注する全ての「APシリーズ」にこの新遠隔監視ユニットを搭載※3し、遠隔サポート運用のサービス拡大を図るという。

〔遠隔サポートサービス実証運用の主な内容〕
●遠隔監視ユニットを搭載した非常用発電機で、YESとビル管理者の双方でデータの確認を実施。
●運転データや燃料残量などの情報は通常1時間ごとにクラウドサーバーへ送信され、RSCにて一括管理。
●スマートフォンやタブレットから発電機の情報やメンテナンスレポートなどの閲覧システムを検証。
●従来のRESSで行っていた状態管理に加え、劣化予測診断、残油量通知を行い、遠隔操作(運転、停止など)災害時に備えた管理体制を検証。

※1 出典:一般社団法人日本内燃力発電設備協会発行「東日本大震災における自家発電設備調査報告書」
※2 内閣府「令和元年台風第15号に係る被害状況等について」より。(令和元年12月5日17:00現在)
※3 遠隔サポートのサービスには別途契約費用が必要。

ニュースリリースサイト(YANMAR):https://www.yanmar.com/jp/news/2020/08/26/79015.html