「触れない」 衛生面に配慮したタッチレス操作パネルを新提案

 アルプスアルパイン(株)は、医療・介護現場や公共施設などにおける「触れない」「触りたくない」ニーズに応える、タッチレス操作パネルを新たに提案する。2021年頃の製品化を目指して市場調査を進めているという。

 昨今では、スマートフォンやカーナビのほかデジタル家電やセキュリティ機器など、さまざまなデバイスの入力操作が、その小型・高機能化を目的にスイッチからタッチパネルへと置き換えられている。また、飲食店での注文や公共施設での受付、医師のカルテなどについても、省人・効率化を目的としたタッチパネル型デバイスへの代替が進んでいる。

 今後より一層タッチパネルによる入力操作が普及していく一方で、「だれが触ったか分からない」「タッチパネルが汚れている」「自身の手が汚れている」(※1)といった理由により、パネルに触れて操作することに対して物理的・心理的な抵抗感を覚えるシーンが多く顕在化してくる。例えば、医療施設では誰が触れたか分からないことによる感染症リスクの不安、電車の券売機や公共施設にあるトイレの洗浄スイッチなどに付着した汚れへの嫌悪感、その他お菓子を食べながら、あるいはキッチンで料理をしながら家電を操作することへの抵抗感などがあげられる。このように、タッチパネルは状況によって操作の快適性が損なわれる可能性があるという。

 同社が提案するタッチレス操作パネルは、タッチパネルの利点を生かしつつもこの抵抗感を減らし、安心・安全かつ快適な操作を提供する。独自の高感度静電センサを用いることで、パネルから10cm離れた位置にある手の存在を検知。5cmまで近づくと手の位置検知が可能となり、3cmまで近づくと指の位置まで把握することができる。この一連の動作における手の接近検知も可能であり、検出したデータを独自開発のアルゴリズムで処理することで、手・指の位置やジェスチャーに応じた多彩な操作を実現。直接パネルに触れて操作したいニーズを考慮し、タッチ操作にも対応するとのこと。

 1月にラスベガスで行われた世界最大級の電子機器見本市「CES2020」で本製品を応用したソリューション提案としてデモ機(※2)を紹介した際に得た好評の声を参考に、医療・介護現場や公共交通機関など、衛生面の配慮が必要となるさまざまな市場でのマーケティング活動を強化し、2021年頃の製品化を目指すとしている。

※1:アルプスアルパインが独自に実施したタッチパネルユーザーへのヒアリング調査から明らかになったもの
※2:実動動画アカウント(Youtube):https://youtu.be/pp_npPqgcP4