Archaic、状態変化予知を行うAIセンシング管理技術を開発

(株)Archaic(アルカイック)は、センサ値から未来の状態悪化を予測するAI技術を核とするAIセンシング管理技術を開発したと発表した。

◇概要
 機械や環境、人、様々な対象をセンシングしネットワークにつなげ、データを収集管理する、IoTの技術が発展してきている状況がある。 この度、AIシステム開発のArchaicは、対象の状態悪化を未然に予知するAI技術を核とするAIセンシング管理技術の開発を行った。状態悪化が発生した後での対応に比べ、事前に状態悪化への準備対応が容易であるため、システムや作業の停止時間を限りなく小さくすることが可能とのこと。
 また、センサ部にてAIによる予知処理が実行でき、予知結果のみを管理システムに送ることができるため、LPWAのような、低帯域の無線ネットワークによるセンサの接続でも、更新レートの高いシステムの実現が可能であるという。 さらに、性能の低い安価なマイコンでも動作可能なAI予知プログラムを開発しており、幅広い演算ハードに対応できる。
 本技術により、例えば農業分野では、人手で行っていた野菜や果実、家畜の状態を、リアルタイムで判断し、通知をすること、工場や病院の機器の不具合を事前に予測し、稼働不可となる前に連絡を入れること、また、建設業界や工事作業など重労働作業を行う作業者が広い場所に点在している状況などでの作業者の状態の管理および状態悪化への未然対策を行うこと、などが可能になるという。

◇状態管理・悪化予測技術について
 開発技術は、大きく、対象に搭載設置するセンサ部と管理を行うサーバー部からなり、対象に搭載設置したセンサから得られたデータから、センサ部で動作するAIにより、対象の今後の状態悪化の度合いを予測、サーバー側に送信され、今後の状態悪化が予測される場合、管理システム上に自動的にアラートを出す。管理者は受け取ったアラートを基に、状態悪化に備えた措置をとることが可能とのこと。
 また、センサから得られた計測データを定期的にサーバーに送り、そのデータを用いてサーバー上でAIの予測モデルの学習を行い、学習されたモデルをセンサ部に送りモデル更新することで、予測精度の改善を継続的に行うことができる。また、同社学習ノウハウを実装することで、予測精度向上のため、対象ごとの特性の差異を反映した、個別の予測モデルの学習構築も可能という。

◇本技術の実施事例について
 本技術は、東証一部大手企業の工場内作業者の体調管理システムに搭載され、高温となる工場内での作業者の体調管理を目的に運用されている。運用時においては、実際に高温による作業者の体調悪化が発生した際、本AI技術により発生の前段階で管理者にアラートを出したという実例がある。
 今後は、様々なセンシング技術と連携し、様々な機器のセンシング管理、農業や自然環境分野のセンシング調査や解析、建設業界や工事作業など作業者の安全管理など、様々なシーンにおけるAIセンシング技術を展開していくとしている。

ニュースリリースサイト(Archaic):
http://archaic.co.jp/wp-content/uploads/2019/10/press_release_191028.pdf