Blue Economyと日本・スコットランドの協業(4)

英国大使館・スコットランド国際開発庁
松枝 晃

第二回目は、テーマをBlue Economyとして範囲を広げ再生可能エネルギーや養殖漁業等も対象にした。
2018年12月に募集を開始した。
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/information/2018/20181213-6932.html
2019年2月には、Subsea Expoにおいてワークショップを開きスコットランド側企業に説明を行った。

図10 Subsea Expo でのワークショップ
図11 Subsea Expo展示会場
図12

このSubsea Expoのタイミングで、第一回目採択企業の川崎重工は、AberdeenにKawasaki Subsea UKを設立した。
同社は、2015年にHeriot-Watt大学とAUVの制御に関する共同研究を開始、その後開発ステップの要所でのスコットランド・UKでの実証試験や将来顧客へのデモ、関連企業との対話を行って来た。
当初からスコットランド・北海のSubseaのコミュニティーに加わっての開発であり、現在ビジネス開拓が行われている。早い段階での意思決定が必要になるものの最も効率の良い方法であると考える。

2019年10月9日に横浜に於いて、第二回目5プロジェクトの採択結果を発表した。

図13

2回目も前回同様、日本側がシステムでスコットランド側がそこに用いるキーソリューションを提供する形となった。再エネ関連のプロジェクトが複数採択されており、日本企業も関心の高い領域である事が分かる。
どのプロジェクトも最長3年間であるが、市場機会の探索も並行して行われる事を期待している。

以上

【著者略歴】
松枝 晃(まつえだ あきら)
英国大使館・スコットランド国際開発庁 上席投資担当官
金沢大学 工学部 電気工学科卒、
1981年オリンパス光学株式会社(当時)。研究開発部門で回路設計、新規事業開拓、オープンイノベーション等経験。
2010年スコットランド国際開発庁。センシング技術を中心に日本スコットランド間の技術案件を担当。2012年から海洋関係。北海のSubsea技術と日本の海洋関連技術のコラボレーションを促進。