LOS_CUBE/Tの開発(2)

アズビル株式会社
アドバンスオートメーションカンパニー
古川 洋之

3.2 LOS_CUBE/Tの出力

完成したLOS_CUBEの情報をLOS_CUBE/Tを使って選択した情報に対して関連する情報を紐付いた形で出力することが可能である。

(1) 利用時の品質から検索
ニーズから要件とシーズを確認する際に有効であり、ユーザの要望がどの設計要件に関連し、どの仕様項目が影響を与えているかが確認できる。図10の検索結果では診断に対する客先の要望に対する製品仕様が確認できる。なお、レポートの空欄はその上の段に記載して内容と同じである。

図9 LOS_CUBE/Tイメージ(利用時の品質からの検索)
図10 LOS_CUBE/T出力レポート Report_利用時の品質から検索

(2)製品の仕様から検索
シーズから要件とニーズを確認する際に有効であり、新製品開発、製品のコストダウン、廃部品対応による設計変更などで製品の仕様の変更を検討する際に影響を与えるユーザの要望が確認でき、重要なニーズの確認漏れの防止に繋がる。

図11 LOS_CUBE/Tイメージ(製品の仕様からの検索)
図12 LOS_CUBE/T出力レポート Report_製品の仕様から検索

図12の検索結果ではノイズ検知機能の仕様より現場で生じるノイズの確認ができる。

(3)製品の品質から検索
要件からシーズとニーズを確認することも可能であり、製品の品質に添付されている資料に対する検索も可能である。図14の検索結果では現場展開・調整マニュアルに関連する情報を確認することができる。

図13 LOS_CUBE/Tイメージ(製品の品質からの検索)
図14 LOS_CUBE/T出力レポート Report_製品の品質から検索

4.まとめ

LOSの情報をまとめるLOS_CUBEをつくるためのツール LOS_CUBE/Tを開発し、試行を通じてその有効性を確認した。試行の中では3軸のカテゴリについてヒヤリングを行うことで、雑談に近い形で有益な情報を聴き出すことができるので是非一度体験いただきたい。今回報告した内容は無償配布のLOSガイドラインの中にも掲載しているので、ガイドラインの希望者は下記の次世代センサ協議会宛てにご連絡ください。また、本活動LOS推進WGへの参加を希望される方、話を聴きたい方、試行を行ってみたい方も次世代センサ協議会にご連絡ください。

図15 LOSガイドライン

最後に、9月11~13日に東京ビッグサイトで開催されるSENSOR EXPO JAPAN 2019にも出展しますので、お立ち寄りください。

一般社団法人 次世代センサ協議会
Japan Society of Next Generation Sensor Technology
E-mail:los.info@jisedaisensor.org
http://www.jisedaisensor.org/

【著者略歴】
古川 洋之(ふるかわ ひろゆき)
平成元年03月  長崎大学 工学部 電子工学科 卒業
平成元年04月  山武ハネウェル株式会社 入社
温度調節器、地震センサなどの製品開発、
地震時遠隔遮断システムのプロジェクトリーダを経て、
開発部の技術管理と改善に関するGrマネジメントに従事
平成元年07月~ 次世代センサ協議会社会インフラ・モニタリングシステム研究会委員