合成紙ユポを使用したエレアコギター向けコンタクトセンサを共同開発

 (株)ユポ・コーポレーション(以下「同社」) は、ヤマハ(株)(以下「ヤマハ」)、一般財団法人小林理学研究所(以下「小林理研」)と三社共同で、このほど合成紙ユポを使用したエレクトリック・アコースティックギター向けコンタクトセンサを開発した。当製品は、2019年5月25日(土)に新製品としてヤマハより発売される、アコースティックギター「FG/FS Red Label シリーズ」のエレクトリック・アコースティックギター「FGX/FSX」に採用されるとのこと。
(画像:コンタクトセンサにユポが使用されている、ヤマハ 新開発のAtmosfeel(TM)(アトモスフィール)ピックアップシステム)

※エレクトリック・アコースティックギターは、アコースティックギターに「ピックアップ」という、弦の振動と音を拾う装置を内蔵することによって、エレキギターのようにアンプに繋いで大きな音を出すことができる。略称:エレアコギター

共同開発したコンタクトセンサについて
このたび共同開発したコンタクトセンサは、弦や本体の振動を電気信号に変換する圧電素子に、新しく開発した「圧電特性を有するユポ」を使用。薄くて柔らかい素材特性を持つユポを使用することで、本センサは、セラミックを圧電素子とした従来のセンサと比べ、高感度かつ広帯再現性を有し、ギターの演奏で生じる楽器本体の振動をより忠実に電気信号へと変換できるようになった。本センサをピックアップとして搭載したエレクトリック・アコースティックギターは、従来のピックアップでは拾いきれなかったサウンドホールから出る弦振動のまとまり、一弦ごとの余韻、フィンガリング時のタッチ感、高音域の倍音成分によってもたらされる空気感や繊細な音を再現し、アコースティックギターを生音で弾いている時の感覚を呼び起こすという。

合成紙ユポについて
ユポは、ポリプロピレン樹脂と無機充填剤を主原料とする、耐久性や耐水性に優れたフィルム法合成紙。ユポは、国内外で多数の特許を取得する独自製法(二軸延伸フィルム成形法)により、無数の微細な空孔(以下「ミクロボイド」)がその表面及び断面に付与されており、このミクロボイドにより、紙の特性である「不透明度」や「印刷・筆記適性」を実現しているとのこと。

開発の経緯について
同社は、長年の研究開発で培われた「空孔制御技術」により、ミクロボイドの形状・配置を最適化し、かつ特殊な帯電工程を経ることでミクロボイド壁面が帯電し、ユポが薄くてやわらかく、かつ耐久性を持つ集音感度の高い圧電素子となることを見出した。その後、同社はヤマハ、小林理研とで実用化に向けた共同研究開発を2013年より開始し、このたび、ピックアップシステムのコンタクトセンサとして、ヤマハの「FGX/FSX」に採用された。

ニュースリリースサイト(ユポ・コーポレーション):
https://japan.yupo.com/news/2019/20190426.html