杉並区の街路灯を有効活用した人流・冠水・設備監視 実証実験

 オプテックス(株)は、東京都杉並区の協力を得て、既設の街路灯に設置した人感、傾斜、揺れ、冠水、電流、温度など各種センサからのデータを送信し、人流・冠水・設備をモニタリングする実証実験を1月より開始した。街路灯をIoT化させることで得られる情報を、杉並区のよりよいまちづくりの推進に活用することを目的とし、これらのデータの有効性を1年間かけて検証していくという。

 杉並区においては、区内全域に整備されている街路灯に各種センサを設置し、入手したさまざまなセンシングデータを活用することで、街路灯をまちの安全や防災に繋げる新たな可能性を研究している。セキュリティや自動ドア用途をはじめとしたさまざまなセンサを開発するオプテックスは、街路灯に設置した各種センサから得られるデータの提供を行い、本実証実験に取り組むとしている。

【実証実験の概要】
実施場所:阿佐ヶ谷、荻窪駅周辺、同地域の学校など数か所の街路灯を活用
実施期間(予定):2019年1月~約1年間
実証実験内容:
① 人感センサ:人流データを収集し、行政の基礎情報やサービス向上に活用
② 傾斜、揺れセンサ:街路灯の傾きや揺れを検知し、腐食や老朽化による倒壊や破損の予兆をお知らせ、災害予防として活用
③ 冠水センサ:道路の水位レベル計測し、冠水情報のお知らせ、住民の安全や水害対応に活用
④ 電流センサ:街路灯の電球切れによる不点灯を監視し、早期発見・早期修繕を行い、夜間の交通安全や防犯に活用
⑤ 温度センサ:周囲の温度や設備の温度を測定し、温度情報の把握に活用

各街路灯にはLPWA(Low Power Wide Area=低消費電力で広領域の無線通信技術)通信のSigfox(*)に対応した無線通信機を設置し、センタデータは、遠隔地から一括監視を行う。本実証により取得したデータの有効性や街路灯活用の可能性を杉並区の協力を得て研究。

*Sigfox:IoT 向けのLPWA通信規格の1つ。欧米を中心に60か国で展開され、国内では京セラコミュニケーションシステム(株)(KCCS)がインフラ構築およびネットワークサービスを提供している。2017年2月のサービス開始以降エリア構築を進め、人口カバー率は2018年11月に90%となり、2019年夏に97%を目指しエリアの拡大を進めているとのこと。

ニュースリリースサイト(オプテックス):
http://www.optex.co.jp/news/whatsnew_detail.cgi?ID=20190318111751