ロールス・ロイスとフィンフェリー、世界初の完全自立運行フェリーを実現

ロールス・ロイスとフィンランド国営の輸送船事業会社のフィンフェリーは12月3日、フィンランドのトゥルク市南部に位置する多島海で、世界初となる完全自律運航フェリーが実現したと発表した。
完全自律運航フェリーの輸送船ファルコ号は、ロールス・ロイスのシップ・インテリジェンス「Ship Intelligence」技術を採用し、パライネンとナウヴォ間の航路を自律運航することに成功。復路は遠隔操作で航行したとのこと。

船舶はセンサフュージョンや人工知能を用いて障害物を検出し、衝突を回避したほか、最近開発された自動ナビシステムによる自動着岸も実演された。これらは全て、乗組員による人的な介入を一切伴わずに実施された。
ファルコ号には様々な高度センサが搭載されており、リアルタイムで周囲の詳細な状況を、肉眼よりも正確に把握することが可能。センサデータを融合させることにより、状況認識イメージが作成され、それが約50キロメートル離れたトゥルク市街の中心に位置するフィンフェリー社の遠隔操作センターに中継される。ここで船長が自律運航を監視し、必要な場合には船舶を制御することができる。

トゥルクの多島海で行われた自律運航試験では、ロールス・ロイスは既に約400時間の海上試運航を行っている。ロールス・ロイスの自動着桟システム「Rolls-Royce Autodocking system」も試験に成功した技術の1つ。この機能により、港湾に接近する際、船舶は自律的に航路や速度を変更し、人的な介入なしに着岸することができる。海上試運航では、様々な状況下での衝突防止ソリューションの試験も数時間にわたり実施されたという。

ニュースサイト:https://lnews.jp/2018/12/k1203317.html