村田製作所、IoTを活用した建設現場の作業者安全モニタリングシステムを開発

村田製作所と戸田建設は共同で、建設作業者の健康状態などを遠隔地からリアルタイムに把握することができるヘルメット取り付け型センサデバイスを用いた作業者安全モニタリングシステムを開発した。
2016年度より開発を始めた同システムは、トライアルをすでに3か所の建設現場で実施しており、2019年春より本格的な量産の開始を予定している。

同システムは、建設現場の作業者の生体情報をリアルタイムに取得することで、熱ストレスレベル(※1)を把握することができる。健康状態を見える化することで現場監督者が適切な管理を行い、作業者の安全の確保をより確実に行うことができる労働環境の実現を目指す。
同システムに用いるセンサデバイス(トップ画像)は、既存の作業用ヘルメット(ミドリ安全(株)社製推奨)に装着できるように設計しており、作業の邪魔にならない装着感を実現。また、ヘルメットを装着するだけで生体・環境情報を取得できるため、このほかにウェアラブルデバイスを新たに身に着ける必要はない。

センサデバイスはヘルメット内部の生体情報測定部(※2)と、作業者周辺の外部環境情報測定部で構成されている。それらの情報を、特小無線(※3)を利用してゲートウェイに送り、クラウドで独自の判定アルゴリズムにより解析を行う。
その結果、危険と判断された場合は事務所や現場監督にアラートが通知される。このアラートシステムは建設現場だけではなく、プラントや工場、鉄道保全、電気工事など、作業者がヘルメットを装着する現場でも利用できる設計となっている。

※1 熱ストレスレベル:周辺の環境、パルスレート、活動量を計測して、総合的に判断する独自のパラメータ。診断を行うものではない。 ※2 生体情報測定部:Elfi-Tech社製(イスラエル)のソフトウェア技術と村田製作所のハードウェア設計技術との組み合わせによって、非接触で精度の高い生体情報の計測が可能。 ※3 特小無線:特定小電力無線局。免許を要しない小電力無線局。

ニュースサイト(IoT NEWS):https://iotnews.jp/archives/108029