エプソン、生産現場の微振動を独自の水晶方式で手軽に計測する「スマート振動センサー」

 エプソンは、生産現場などにおける微細な振動を高精度で測定できる新商品として、スマート振動センサー『M-A750FB』を2023年5月17日より受注開始した。

 今回の新商品は、振動による影響が大きい”精密機器を用いた生産現場”、もしくは”精密機器の開発・生産現場”において、特に計測の難しい周波数の低い振動を、エプソン独自の水晶方式により簡単に計測することを可能にした。従来、低周波振動の計測には、高価で大型の「サーボ式加速度センサー」が使われてきた。エプソンは、水晶材料の製造技術、および、独自の水晶微細加工技術により、サーボ式加速度センサと同等の高精度かつ小型・軽量で、簡単に測定できるスマート振動センサーを商品化した。

■スマート振動センサー開発の経緯/社会的課題
 半導体製造装置、画像検査装置などの精密機器は、設置環境の微細な振動の影響で期待される性能が発揮されない場合がある。例えば工場建屋の地盤・床、周辺装置から伝搬してくる振動は周波数が低く、人の感覚では気づきにくいことが多くある。そのような設置環境に左右されることなく、精度高い生産や検査を実現するには、振動状態の把握が不可欠となる。
本商品は、微細な振動を高精度かつ簡単に測定し、これらの課題解決に貢献する。

■スマート振動センサー『M-A750FB』の主な特長
1.小型軽量、持ち運びも便利
 手のひらサイズ 62.4(W)×36.2(H)×46.2(D)mm、軽量(約100g)を実現
2.簡単計測
 本体に小型ディスプレイ、メモリーを搭載しているため、手のひらサイズの本体だけで計測が可能
 (外部からのUSB給電が必要)
3.Windows®搭載 PCと連携することで、計測データのより詳細な分析が可能
・最大1,000(Hz)のサンプリング周波数で3軸の加速度計測が可能。
・計測した加速度データは、CSVファイルとして保存することが可能。
 これにより、簡単にExcel®や数値計算ソフトによる加速度データの表示や分析につなげることができる。

・加速度、速度、変位の3つの振動状態を一度に読み取ることができるトリパタイトグラフ表示機能を搭載。
これにより、Windows®搭載 PCで振動の状態を手軽に読み取ることができるようになった。
・トリパタイトグラフをExcel®のデータ(xlsxファイル)として保存することが可能。
これにより、トリパタイトグラフを用いた振動計測結果のレポートを簡単に作成することができる(簡易レポート作成機能)。

4.その他の特長
・加速度計測、傾き計測、振動レベル判定(VCレベル判定)が可能
・1台で3軸の加速度を同時に計測可能
・サーボ式加速度計と同精度の計測性能
・無線通信用専用USBレシーバーの使用により、Windows®搭載 PCと無線通信での計測が可能

ニュースリリースサイト:https://www.epson.jp/osirase/2023/230517.htm