順天堂大ほか、新原理の自己測定体液成分センサの開発

順天堂大学 医療科学部臨床工学科 六車仁志、東洋紡(株) 岩佐尚徳、産業技術総合研究所 ナノ材料部門 平塚淳典、田中丈士、清水哲夫らの共同研究グループは、単層カーボンナノチューブ(CNT) を孤立化(会合凝集状態から一分子に分離する)して酵素の活性中心に配置させることで、酵素反応によって生じる電子を直接取り出すことに成功した。それにより、単層CNTの優れた機能を活用した高感度でダイナミックレンジの広いセンサ特性が得られ、有効期限が3か月と短い既存製品の欠点を克服できる新原理の自己測定体液成分センサの開発を可能にした。今後は、血糖値やケトン体、尿酸などをより安価なセンサで自己測定できるよう、同技術の製品化を目指す。
本論文は米国電気電子学会の論文誌IEEE Sensors Journalに2023年2月1日付で公開された。

本研究成果のポイント
・単層カーボンナノチューブ孤立化の最適化を行った。
・孤立化した単層カーボンナノチューブにより酵素の中から直接電子を取り出した。
・新原理(直接電子伝達型)の自己体液成分測定センサを実現した。

※本研究はJSPS科研費19H02539, 19K05172の支援を受け実施された。

プレスリリースサイト(juntendo):https://www.juntendo.ac.jp/news/20230316-01.html