USB-IFの認証を取得した2品種のIC「STUSB140W」「ST-ONEHP」を発表

 STマイクロエレクトロニクスは、USB Power Delivery (USB PD) EPR(1)電源 / 充電器のアダプタ(ソース)側と機器(シンク)側に対応し、USB-IF(USB Implementers Forum)の認証を取得した2品種のIC「STUSB140W」(シンク)および「ST-ONEHP」(ソース)を発表した。これらの製品は、ユニバーサル・バッテリ充電器の出力を140Wまで拡大する。これにより、1個のAC-DCアダプタで、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチを含む従来の機器に加え、コンピュータ、スマート・ホーム機器用アクチュエータ、電動工具、電動自転車などを充電できるようになるという。

 USB-IFから140W(28V / 5A)出力の認証を受けた「STUSB140W」(シンク)および「ST-ONEHP」(ソース)は、USB PDリファレンス設計の機器(シンク)側とアダプタ(ソース)側に採用される。このリファレンス設計は、USB PDのシームレスな統合に向けた効率的かつコスト・パフォーマンスに優れたソリューションを提供する。また、ST-ONEHPには、USB PD 3.1 EPRファームウェアがプリロードされている。

 この新しいUSBソリューションにより、幅広い機器にUSB Type-Cコネクタが採用され、ユニバーサルAC-DCアダプタからの充電が可能になる。その結果、エンド・ユーザが所有するアダプタを減らすことで、電子廃棄物、輸送コスト、さらにはCO2排出量の削減にも貢献する。

■技術情報
 STの機器(シンク)側リファレンス設計は、STM32マイコン、アナログ・フロントエンドIC「STUSB1602」、高電圧保護デバイス、専用ソフトウェア・スタックをベースにしている。プロトコルの微調整をサポートしており、幅広いアプリケーションに対応する。

 アダプタ(ソース)側のリファレンス設計は、USB PD 3.1 EPR充電器専用に設計されたデジタル・コントローラ「ST-ONEHP」から、最大140W(28V / 5A)の出力を供給する。ST-ONEHPは、Arm® Cortex®-M0+、同期整流回路付きオフライン・プログラマブル・コントローラ、USB PD PHYを1パッケージに集積した製品。STの第3世代GaN(窒化ガリウム)パワー・トランジスタと高性能ゲート・ドライバを集積したシステム・イン・パッケージ(SiP) 「MasterGaN1」と組み合わせることで、140Wの出力と94%のピーク効率で業界最高レベルの電力密度(25W/in3)を備えたバッテリ駆動機器、生活家電、およびスマート・モビリティを実現可能である。

 ST-ONEHPは現在サンプル提供中でSSOP36リード・パッケージで提供される。1000個購入時の単価は、約3.90ドル。

(1) Universal Serial Bus(USB)Power Delivery(PD)Extended Power Range(EPR)
*USB Type-C®およびUSB-C®は、 USB Implementers Forum (USB-IF)の登録商標。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001300.000001337.html