ST、超高速充電を実現するQi規格準拠 100Wワイヤレス充電レシーバIC

STマイクロエレクトロニクスは、業界最高クラスの100W出力を備えたワイヤレス充電レシーバIC「STWLC99」を発表した。同製品は、市場でも最速クラスのワイヤレス充電を実現し、ハイエンド・スマートフォンの大容量バッテリを30分未満で充電できるという。

高出力ワイヤレス充電は、ユーザの利便性向上だけでなく、電源ソケットと電源コードが不要な産業機器の開発も可能にし、設計者にさまざまなメリットを提供する。充電ソケットが不要になることで、省スペース化や過酷な環境における防水性・防塵性の実現にも貢献する。さらに、電源コードのねじれや絡みによるトラブルを防ぐこともできる。ロボットやドローンなどのモバイル・デバイスは、ケーブル接続や人間の介入無しで簡単に充電することができる。

STWLC99は現在量産中で、WLCSPパッケージ(4.859m x 4.859mm)で提供される。単価は約2.50ドル。

・技術情報
STWLC99は、低オン抵抗のMOSFETによる同期整流器と低ドロップアウト(LDO)レギュレータで構成される電力効率に優れたアーキテクチャを備えており、入力電力を最小限の損失と低放熱でバッテリに出力する。

また、Qi1.2.4および1.3規格に準拠しているため、Qi Extended Power Profile(EPP)に対応するとともに、急速充電に最適化されたSTのSTSuperCharge(STSC)プロトコルも採用されている。STのSTWBC2-HPトランスミッタ・ソリューションと組み合わせた場合、バッテリ充電電力は最大100Wに達する。

STWLC99は、設定パラメータ保存用の不揮発性メモリを内蔵し、設定データの交換および充電制御用のI2Cインタフェースを備えている。また、正確な電流検出による異物検出(FOD)、送信モードでのQファクタ検出、過電流 / 過電圧 / 過熱保護など、包括的な安全機能を搭載している。

STWLC99は、他のデバイスを充電するための最大25WのトランスミッタICとしても動作可能。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001275.000001337.html