東北大と三井不動産、次世代社会に向けたロボットに関する共同研究を開始

 東北大学と三井不動産(株)は、次世代社会に向けたロボットに関する共同研究(以下「本研究」)を開始した。

 IoTセンサやAIといったテクノロジーの進化に伴い、ロボットの研究開発は加速度的に進展しています。2050年には、至るところにロボットが存在し、誰もが、いつでも、どこでも安心してロボットを使うことが当たり前となるような、人とロボットが共生する社会が訪れることが期待される。
 東北大学と三井不動産は、このような社会を見据え、オフィスにおける人とロボットの共生の在り方を探る。ロボットがオフィスワーカーとのコミュニケーションを通じて個々の特性を把握し能力を引き出すことで、オフィスワーカーが前向きかつ創造的に自身の役割に取り組むことができる未来を想定し、その実現を目指して共同研究を開始した。

 本研究のファーストステップとして、ロボットが把握する個々の特性のうち、まず「心身の健康」に着目する。健康状態は日々変化していますが、わずかな変化については本人も見過ごすことがあり、気付かないうちに状態が悪化する恐れがある。そこで、本研究では、ロボットがわずかな健康状態の変化もつかみ、その変化についてさりげなく伝えるまでの方法について研究を行い、オフィスワーカーが良好な健康状態を保つことで、より生産性高く働くことができるオフィス環境の実現を目指す。

 なお、本研究は東北大学大学院工学研究科 ロボティクス専攻 平田泰久教授と、同大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻 本江正茂准教授が中核となって進める。平田教授がプロジェクトマネージャーを務める国立研究開発法人科学技術振興機構によるムーンショット型研究開発事業「活力ある社会を創る適用自在AIロボット群」の知見も活用しながら研究を進める予定。研究や社会実装に必要な要素(各種情報の計測・解析など)が生じる場合、東北大学内の部局横断での連携や研究開発型スタートアップとの協業などを実施することも想定しているという。

●本研究について
・STEP1: ロボットがオフィス空間内を自律移動するための機能を開発する。さらに、人とロボットの継続的なインタラクション(人への情報提示や双方向の会話を行う機能)の仕方について研究を行い、インタラクションを通じて様々なデータを収集する。 (図:2022©︎TOHOKU UNIVERSITY)

・STEP2: ロボットがインタラクションを通じて収集したデータに医学的見地を加えて、わずかな健康状態の変化を分析するアルゴリズムを作成する。

・STEP3: ロボットがオフィスワーカーに対し、例えば普段と比較して疲れ気味であることや調子が良さそうであるといった、わずかな健康状態の変化をさりげなく伝える「伝え方」について研究する。

ニュースリリースサイト(mitsuifudosan):https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2022/