「Datachemical LAB」に製造プロセスデータを用いたAI予測機能が登場

 データケミカル(株)は、展開する化学のものづくりDXクラウドサービス「Datachemical LAB(データケミカルラボ)」にて製造プロセスデータを用いたAI予測機能を2022年9月8日よりリリースする。

〇プログラミング不要で製造プロセスデータをデータ解析・機械学習
 今回の新機能では、クラウド上で過去の製造プロセスデータからプログラミングなしにデータ解析・機械学習を行い、その結果をもとにオフラインで動作するデスクトップアプリを使用し、実際の製造プラントにてAI予測を行う。本機能を用いて、リアルタイムでの測定が難しい因子を随時推定するソフトセンサと呼ばれるシステムや、プラントの状態異常を検知するモデルを容易に構築し、実運用することができる。

〇大きな損失になり得る、製造プロセスでのリアルタイム制御の課題
 化学産業の製造プラントにて化学製品を安定量産するための道のりは容易ではない。化学プラントは様々な因子を制御しながら運転しているが、例えば温度や圧力はセンサにてすぐに測定でき、測定結果に基づいた管理が容易である一方、中間物の濃度や密度といった因子は測定に時間・手間が掛かるため、リアルタイムで管理することが難しく経験的に補う必要があり、量産化のためのプロセス設計に時間とコストが掛かる。また同時に制御すべき因子が増えれば、それぞれの相関関係の中で一つのプロセス異常がみえにくくなる問題がある。プラントのスケールが上がるほど、一度製造トラブルを起こすと損失は大きく、顧客への供給責任にも関わってくるため安定的なプロセス管理も大きな課題である。

〇機械学習の活用で製造プロセス設計・管理が効率化
 同社は、CTO金子弘昌(明治大学理工学部准教授)が運営するデータ化学工学研究室のプロセスインフォマティクスの知見をもとに、機械学習を活用し効率的に製造プロセス設計・管理が行える、ソフトセンサと異常検知の二つの新機能をDatachemical LABを通じて提供する。大手化学メーカーの実際の現場でも活用されている同研究室のAIプログラムをプログラミングなしに容易に扱うことができる。

 既にリリースしている分子設計・材料設計のデータ解析・機械学習機能と合わせて活用すれば、実験室での材料開発から化学プラントでの量産化までトータルでの開発スピード向上・低コスト化が期待できます。今後とも継続して機能を追加し、益々充実したデータサイエンス活用を行えるようにするという。

<新機能の特長>
・ソフトセンサによってリアルタイムでの測定が難しい因子を随時予測し迅速かつ効率的にプラント制御できる。
・異常検知によってプラントの異常発生を事前に予測し、トラブル前に対処できる。
・クラウド上で過去の製造プロセスデータを読み込み、プログラミングなしにソフトセンサ・異常検知の機械学習モデルの最適化検討が行える。
・クラウドでの検討結果をもとに、デスクトップアプリ内でモデルの設定を行い、新たなプロセスデータに対し予測を行う。
・デスクトップアプリはオフラインで動作するため、製造現場のネットワーク環境に左右されず安定的に使用できる。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000099918.html