データを活用したソリューションの実装スピードを飛躍的に高めるi-BELTサービス提供開始

オムロン(株)は、現場データ活用基盤、「i-BELT Data Management Platform」(以下、i-DMP※1)を開発。2022年8月18日より、現場データ活用サービスi-BELT(※2)に組み込み、サービス提供を開始する。
近年、製造現場では、ネットワークの高速化など先進的な情報技術が導入され、多種多様な現場データの蓄積・分析が可能となったことで、データを活用した生産性や品質向上などの現場革新の取り組みが注目されている。一方で、実際の製造現場では、データ活用の取り組みを支援する様々な機器やソフトウェアの活用を試みるも、試行錯誤の繰り返しにとどまり、目に見えるかたちでの成果に至らないケースも散見される。現在、製造業にとって重要な社会課題である脱炭素の取り組みにおいても、「エネルギーデータを見える化したものの、課題解決に向けて何から手をつければよいかわからない、既存システムとの連携が上手くいかない」という事例も多く見られる。

オムロンは、このような課題を解決するため、現場データ活用サービス「i-BELT」の提供を2017年から開始。今回、お客様固有のモノづくり課題に最適化したi-BELTサービスを、よりスピーディに提供し、課題解決ソリューションの継続的な進化に貢献するi-DMPを開発した。例えば、エネルギーデータと生産性のデータを統合し、エネルギー生産性の指標をベースに工場の脱炭素化の取り組みを加速させることも可能。i-DMPは既に複数の弊社工場に導入し、その効果を実証している。
オムロン京都太陽(株)では、障がい者雇用の現場特性に合わせたシステム導入を行っている。本事例では、企業経営において“多様性”が重視される中、設備データに加えて人作業のデータを常時取得することで現場一人一人の“今この瞬間”の把握を実現し、生産性11%向上を達成した。また、システム構築までの期間は従来比1/8(※3)で実現した。このi-DMPは、同社からのi-BELTサービス提供時に加えて、今後、ライセンスによるパートナー企業への提供も検討している。

【i-BELT Data Management Platform(i-DMP)の特長】
1. “既存の現場システム”を最大限活用したデータ利活用を実現
i-DMPは多様なネットワークやリレーショナルデータベース(RDB)、FA機器と簡単に接続することができ、既存システムや各社PLC情報など、現場に点在するデータを必要に応じてエッジ領域でリアルタイムに収集・蓄積し、一元管理ができる。クラウドなどを使用しない、スモールスタートで製造現場でのデータ活用が可能。また、i-DMPの拡張性の高さを活用し、設定したゴールや進化シナリオに応じて段階的に機能を拡張し現場へ展開することができる。

<i-DMP接続対象>
・通信プロトコル:OPC-UA、Ethernet/IP、PROFINET、Edgecross(※4)など
・RDB:PostgreSQL、Oracle Database、Microsoft SQL Serverなど
・制御機器:コードリーダ、産業用カメラ、パーティクルセンサを含む多様なFA機器

2. i-DMP+マネジメントソフトウエアで、製造現場をリアルタイムに可視化し、潜在する課題も顕在化
同社が製造現場で培ったナレッジを組み込んだ50種類以上の豊富なマネジメントソフトや部品を活用することで、エッジ領域で収集したデータを現場課題に合わせて、現場の状態の変化を簡単に可視化できる(製品単位/工程単位、標準工数/実績工数、人作業バラつきなど)。それにより、お客様の目的に最適化したデータ活用の仕組みをスピーディに実現し、潜在する課題までも顕在化、そしてアクションへつなげることができる。例えば、人作業が多い現場では、作業者の動線、動作や作業内容の分析など原因対策の具体化に向けてデータ分析による要因特定を行い、全体最適を見据えた改善サイクルの仕組み化に貢献する。

3. 一元管理した現場データの活用により、継続的な製造現場の改善・進化に貢献
エッジ領域で多様なデータを収集・蓄積し、一元管理を可能にすることで、データ分析を通して製造現場で自動化すべき領域を特定、さらに制御へのフィードバックも可能になる。多様化・複雑化する課題に対しても、弊社がモノづくり革新コンセプト「i-Automation!」により創出・蓄積してきた250を超える革新的なアプリケーションの現場実装や、AI(人工知能)の活用などにより、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進め、現場革新を支援する。

※1:i-BELT Data Management Platform(i-DMP)
様々な機器やシステムからデータを収集、整理して利用可能な形式に変換するデータ活用プラットフォーム。
※2:i-BELT
生産現場にあるデータを活用し、課題解決する共創サービス。詳細は下記を参照。
https://www.fa.omron.co.jp/solution/i-belt
※3: 1/8
2021年6月 当社調べ、オムロン京都太陽への導入実績
※4:Edgecross
企業・産業の枠を超え、FAとITの協調を実現するエッジコンピューティング領域のオープンなソフトウェアプラットフォーム。詳細は下記を参照。
https://www.edgecross.org/ja/

ニュースリリースサイト(OMRON):https://www.omron.com/jp/ja/news/2022/08/c0818.html