ST、LED照明設計に貢献する1チップのデジタル電源制御ICを発表

STマイクロエレクトロニクスは、高集積・小型のデジタル電源制御IC「STNRG012」を発表した。同製品は、先進的な歪み軽減技術を採用し、LED照明に最適なソリューションを提供するという。

STNRG012は、マルチモードのPFC(力率改善)コントローラ、共振ハーフブリッジ・コントローラ、および800Vの起動回路を搭載し、デジタル・エンジンによって制御される。PFCコントローラは、臨界モード、不連続導通モード(DCM)、およびバレー・スキッピング・モードを動的に切り替えることで、最適な効率を実現。ハーフブリッジ・コントローラは、STの特許取得済みのタイムシフト制御(TSC)により、正確なソフト・スイッチングを実行する。

最大305VACの入力電圧範囲を持つSTNRG012は、DC電源でも動作可能なため、最大300Wのバッテリ駆動およびAC電源駆動アプリケーションに使用可能。

デジタル・エンジンは、8bitコアで動作し、最適化された制御アルゴリズムを実行する。また、高速のイベント駆動型ステート・マシン(SMED)ペリフェラルを介して、PFCとハーフブリッジ回路を制御。パワー・マネージメントやバースト・モード・エンジンなどの専用ハードウェアIPブロックを搭載しているため、堅牢な動作が可能で、待機時の消費電力を最小限に抑える。ハードウェアによって制御されるハーフブリッジのサージ保護や共振外れ防止などのシステム安全機能を内蔵しているため、高速で動作するとともに、優れた信頼性を実現する。

STNRG012は、内蔵の不揮発性メモリ(NVM)に動作パラメータと補正係数を保存できるため、製造時に設定のカスタマイズや機器のプログラミングが可能。デジタル・プログラミングにより、設定用の外付け部品が不要になり、部品コストの削減や、回路の小型化に貢献する。また、モニタリングおよび通信用にUARTポートを搭載しているため、テストの簡略化とリアルタイムでの管理が可能になり、信頼性の向上に貢献する。

STNRG012は現在量産中で、20ピンのスモール・アウトライン・パッケージ(SO-20)で提供される。単価は、1000個購入時に約2.08ドル。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001232.000001337.html