低コストのジェスチャ認識用ソフトウェア・パッケージ「STGesture™」を発表

STマイクロエレクトロニクスは、シンプルかつ低コストのコンスーマ機器と産業機器において、ジェスチャによるタッチレス制御を実現するソフトウェア・パッケージ「STGesture™」を発表した。
このソフトウェア・パッケージは、STのマルチゾーン対応FlightSense™ ToF(Time-of-Flight)測距センサ「VL53L5CX」用の無償の開発ソフトウェアで構成されている。ToF測距センサによるジェスチャ認識は、さまざまな機器で洗練されたタッチレス制御を実現する革新的な技術であるという。

当初はハイエンドの自動車向けに開発されたジェスチャによるタッチレス制御は、キッチン用生活家電、サーモスタット、スマート・ホーム機器、スマート照明制御、ノートPC、AR / VR用ヘッドセット、タブレット、スマートフォンなど、幅広い機器の操作性向上に貢献する。また、ジェスチャ認識可能なユーザ・インタフェースは、自動販売機や券売機、エレベータのスイッチ、デジタル・サイネージの操作など、今日の社会で課題となる機器を介した感染症の拡大防止にも貢献する。

「STGesture™」で提供される最新のソフトウェアは、マルチゾーン対応ToF測距センサ「VL53L5CX」用に開発されており、コンスーマ・産業機器向けアプリケーションにおいてシンプルかつ低コストでジェスチャ認識機能を実現する。これらのセンサとソフトウェアを組み合わせて、手のX / Y / Z座標をリアルタイムで計算し、その動きをトラッキングすることで、タップやスワイプ、レベル制御などのジェスチャを認識する。

従来のジェスチャ認識システムには、一般的に高コストかつプライバシー・リスクを持つカメラ・ベースのマシン・ビジョンが使用されている。STのソリューションは、ビジョン・ベースのソリューションと異なり、ユーザのプライバシー保護と低消費電力を実現し、外部照明を追加することなく暗所でも動作するシステムの構築を可能にする。軽量なジェスチャ・アルゴリズムは、低消費電力マイクロコントローラ(マイコン)で動作し、必要なシステム・リソースを最小限に抑えられるため、既存アプリケーションに簡単に組み込むことができる。

ソフトウェア・パッケージ「STSW-IMG035」は、マルチゾーン対応dToF(ダイレクトTime-of-Flight)測距センサ「VL53L5CX」向けに設計されており、STの汎用32bitマイコン「STM32*ファミリ」で提供されるマイコンで使用可能。STの最新世代ToF測距センサであるVL53L5CXは、64ゾーンで最長400cmの高精度測距が可能で、対角63°の広い視野角を備えている。

VL53L5CXは現在量産中で、16ピンの光学LGAパッケージ(6.4 x 3.0 x 1.5mm)で提供される。ジェスチャ認識用ソフトウェア・パッケージ「STSW-IMG035」には、GUI、サンプル・コード、ライブラリ等のリソースが含まれている。詳細については、ウェブサイトを参照のこと。
https://www.st.com/ja/embedded-software/stsw-img035.html

* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001230.000001337.html