ST、SiCおよびIGBTスイッチング回路を最適化・簡略化するデュアル・ゲート・ドライバ

STマイクロエレクトロニクスは、IGBTおよびSiC(シリコン・カーバイド)パワーMOSFET向けに、デュアル・チャネルのガルバニック絶縁型ゲート・ドライバ「STGAP2HD」(IGBT)および「STGAP2SICD」(SiCパワーMOSFET)を発表した。両製品は、高電圧の電力変換アプリケーションや産業アプリケーションにおいて、省スペース化と回路設計の簡略化に貢献するという。

ワイドボディのSO-36Wパッケージで提供される「STGAP2HD」および「STGAP2SICD」は、STの最新ガルバニック絶縁技術を活用し、6kVの過渡電圧に対応する。また、±100V/nsの過渡電圧耐性を備え、ノイズの多い動作環境において誤動作によるターンオンを防止する。最大4Aの強力なゲート制御信号を生成し、デュアル出力ピンで柔軟にゲートを駆動できるため、ターンオン / ターンオフ時間を個別に調整可能。アクティブ・ミラー・クランプ機能により、ハーフ・ブリッジ・トポロジにおける高速スイッチングのゲート・スパイクを防ぐ。

また、過熱保護や、安全な動作を実現するウォッチドッグ、低効率または危険な状態での動作を防止する減電圧ロックアウト(UVLO)機能(各チャネルに搭載)などの保護機能も搭載されている。STGAP2SICDのUVLOしきい値電圧は、高く設定されており、SiCパワーMOSFET向けに最適化されている。

両製品ともにiLOCKピンを備えているため、デュアル・ローサイドおよび非対称ハーフブリッジ・アプリケーションにおいて、両チャネルを同時にオンにすることができる。また、従来型のハーフブリッジ回路で貫通電流を防ぐインターロック機能も搭載されている。両製品の定格電圧は、高電圧電源で最大1200Vとなっており、入力から出力までの伝播時間が75nsと短いため、高精度のPWM制御を実現する。

さらに、専用のシャットダウン端子やブレーキ端子、低消費電力化に貢献するスタンバイ端子を搭載しており、電源や駆動装置、インバータ、溶接機、充電器などのアプリケーションに最適。両製品の入力回路は最小3.3VのTTL / CMOSロジックと互換性があり、ホスト・マイクロコントローラやDSPと簡単に接続可能である。

STGAP2HDおよびSTGAP2SICDは現在量産中で、単価は1000個購入時に約1.84ドル。
評価ボード「EVALSTGAP2HDM」および「EVALSTGAP2SICD」も提供されているため、ハーフブリッジ・パワー段を駆動する際のドライバ機能を迅速に評価することができるとのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001213.000001337.html