OKI、映像AIソリューション「AISION®車両センシングVer.2」を販売開始

OKIは、映像AIソリューション「AISION®車両センシング」の機能を向上し、車線ごとの渋滞状況や降雨雪時の立ち往生車両の検出、四輪車と自動二輪車の同時検出を可能とした「AISION車両センシングVer.2」を本日より販売開始する。道路上で発生しているさまざまな車両走行異常を即時に検出することで、道路の安全管理業務を効率化し、現場の負荷を大幅に低減する。

コロナとの共生社会における移動手段の車へのシフトを背景とした交通渋滞、さらに多発する豪雨災害による道路の寸断、豪雪による大量の車両立ち往生など、道路の安全管理に携わる自治体や道路管理業者などの業務負荷は増加傾向にある。

「AISION車両センシング」は、道路を走行する車両の計数、速度検知、逆走探知などを行う映像AIソリューション。今回発売する「AISION車両センシングVer.2」は、上述の道路安全管理の現場における課題に対応するため、ディープラーニング技術を高度化させ、これまで難しいとされていた誤検出防止機能を取り入れた確度の高い渋滞検知、降雨雪時の立ち往生検知、四輪車と自動二輪車の同時検知を実現した。交通事故や道路の機能不全につながりうる事象をすばやく確実に察知することで、道路の安全管理業務を効率化する。

従来の「AISION車両センシング」と同様に、汎用性の高い学習済モデルを搭載し、AIの知識がない人でも簡単な設定で扱えることに加え、LTEや920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop®」(注1)などのインターフェースに対応しており、さまざまな設置環境において、各種IoT機器と容易に連携することができる。今回の機能向上にあたり、新たに、道路の異常検出状況を監視センターの道路管理システムへ即時通知することができる外部連携API(注2)を開発した。

OKIは、引き続き「AISION車両センシング」を改良し、道路や車両の定量的なデータを提供する仕組みを通して、さまざまな車流の異常から素早く復旧できるレジリエントな交通インフラの整備やウィズコロナを背景とした渋滞、交通量調査の人手不足など、道路管理の現場で生じるさまざまな課題の解決に貢献するとしている。

AISION 車両センシングVer.2の特長
・渋滞の検出
一般的な平均速度による渋滞判定だけではなく、道路上の検出エリアに存在する車両の割合を識別し、低速車両の通過でも誤検出しない、実態に即した渋滞判定が実現できる。
・立ち往生の検出
曇天時の映像データに霧/雪/雨などの気象条件を再現・合成し、AIが学習することにより、降雨雪時でも霧/雪/雨による影響を除いた、誤検出のない精度の高い検出が実現できる。
・自動二輪車の検出
多数のディープラーニングモデル候補から最適なモデルを選定し、OKIが保有する大量の四輪車/二輪車の映像データをAIに学習させ、四輪車と自動二輪車の同時検出が実現できる。また四輪車よりも小さい自動二輪車でも、四輪車と同程度の検出精度が可能。

外部連携APIの強化
重要とされている道路監視センターへの即時通知が可能な外部連携APIを開発。
1.異常検出時に外部システムへ通知するプッシュ型API
2.保有する情報を、任意のタイミングで取得できるプル型API

用語解説
(注1):920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」
電波到達性の高い920MHz帯無線とマルチホップ中継伝送に対応したOKI製品のシリーズ名称。多様なセンサーや機器を無線ネットワークに手軽に接続することができる、IoT(Internet of Things)に適したソリューションとして、パートナー各社の120機種以上の商品に採用が進んでいる。
(注2):API
Application Programming Interfaceの略。アプリケーションソフトからモジュールの機能を利用するために使用されるインターフェース。

プレスリリースサイト(OKI):https://www.oki.com/jp/press/2021/11/z21063.html