長崎大学とREVORN、法医学における「におい」を科学的に分析する実証実験

(株)レボーンは、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科と共に、法医学分野において、同社のIoTにおいセンサ「Obre(オブレ)」を活用した実証実験を開始した。


■本実証実験に至る経緯
法医学の分野における研究や解明では、かねてより遺体から発せられる特異的な「におい」も経験則に基づき、判断要素の一つとして用いられてきたが、それらの「におい」を科学的に解析するなどの研究は行われておらず、本実証実験が国内初(※)の試みとなる。

(※)国内に拠点をおく法医学教室においての遺体から発生する臭気を科学的に解析することを目的とした研究において。

■レボーンの提供する「においソリューション」
レボーンでは独自開発のIoTにおいセンサ「Obre(オブレ)」をサブスクリプション形式で提供することで、センサの導入コストを抑え、今まで“におい”に対して課題を感じながらも、「においソリューション」の導入に踏み込めなかった企業や団体に加え、これから“におい”に関連する新たなビジネスの構築を目指している人たちへ、より気軽に参入できる体制を整備し、におい業界の発展に寄与したいと考えている。

本実証実験においても、長らく法医学の分野にて、法医学者の嗅覚を死因の解明の一要素として活用していたことを受け、同社が科学的アプローチをもって、データ化することでエビデンスの正確性を高めることに加え、業務の簡素化を目指す。
死体から発せられるにおいからは、さまざまな発見が期待でき、これまで見落とされていたかもしれない死臭の時間変化や被虐待など疑われる特異的なにおいなどに関しても、解明が進むことに期待がされる。また、においによる解明が進むことで、死因解明のプロセスをより科学的な指標をもって行うことが可能となり、死因解明プロセスの複雑さや不明瞭さの解消につなげ、法医学のさらなる発展への貢献を目指すという。

本実証実験をリードする長崎大学 池松教授によると、本件における期待を、
「近年医学分野では「におい」に着目した研究は殆ど行われていません。解剖、検案や虐待といった法医実務では、特異なにおいを経験する機会が多い中、これまでは経験則に基づいて、その匂いの法医学的な意義を判断していました。今回の研究は、法医学的視点からにおいを科学的に検証する本邦で初めての試みとなります。 においセンサ「Obre」を用いることで、
①死因判断を見据えた死因と匂いの関係性
②アルコール摂取の有無や飲酒後経過時間、アルコールの種類、飲酒量の推定、
③死後経過時間の長いご遺体の死亡時期推定、
④社会問題としてより深刻化する児童虐待について、被虐待児の特異なにおいの検討など、
これらの点について「Obre」の応用性を検証し、実用化に取り組みたい。」
と話しているとのこと。

ニュースリリースサイト(revorn):https://www.revorn.co.jp/blog