京セミ、レーザー給電向け高出力光給電コンバータ「KPC8H-FC」を発表

(株)京都セミコンダクターは、レーザー給電向けに開発した高出力光給電コンバータ「KPC8H-FC」を発表した。

京セミが2011年にリリースした光給電コンバータ「KPC8-T」は発売から10年を迎えた。これまで送電の難しい遠隔地での設備機器や電磁ノイズの影響を受けやすい設備機器、航空機内の設備機器などで、光ファイバを介したレーザー給電(※1)を使用した数々のアプリケーションで採用されたが、この度発表した高出力光給電コンバータ「KPC8H-FC」では顧客からの要望多かった2つの項目を改善したという。

(1) 高出力化
効率を高めることにより、光入力に対する出力が従来製品比1.3倍(※2)に向上した。また、放熱の向上により最大光入力の定格値が従来製品の3倍になった。これにより新たなアプリケーションの可能性が広がる。

(2) 省スペース化
従来製品(※2)は光ファイバ一体型ピグテイルモジュールだったが、今回FCレセプタクル一体型の形状を採用しており直接機器類の操作パネルに取り付け(パネルマウント)が可能となっている。省スペース化となるため機器の小型化も期待できる。

なお、高出力光給電コンバータ「KPC8H-FC」のサンプル出荷開始は2021年9月15日、量産開始は2022年4月28日を予定している。

※1 レーザー給電: 光ファイバケーブルや自由空間を介してレーザー光を光電変換素子を用いて電力を伝送する方式。光ファイバケーブルを介したレーザー給電はメタル電線よりも損失が少なく、完全な電気絶縁が可能なため、メタル電線では困難であった落雷対策が必要であった屋外の設備機器や遠隔地に設置された設備機器、電磁雑音の影響が強い環境下への電力の伝送が可能となる。
※2 同社従来製品: 光給電コンバータ KPC8-T https://www.kyosemi.co.jp/products/kpc8-t/

ニュースリリースサイト:https://www.kyosemi.co.jp/news/2076/