温度・歪み測定をリアルタイムで実現する光ファイバーセンサ「WX1033A/B」をNETISに登録

KIの光ファイバーセンサ「WX1033A/B(以下、WX1033)」が、7月1日、国土交通省の新技術情報提供システム NETIS(New Technology Information System)に登録された。
「WX1033」は長距離・広範囲にわたる温度・ひずみの分布的かつリアルタイムな測定が可能で、老朽化が進む社会インフラ構造物の予防保全・健全化監視に貢献する。
OKIは、NETISへの登録により、国の公共事業の施工現場などでの採用が増えることを活かし、本商品のさらなる機能向上と、多様な現場におけるインフラ構造物老朽化対応への貢献を目指すという。

NETISは、国土交通省が新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有および提供を目的として整備したデータベースシステム。土木・建設業者などの企業は、国や地方自治体の発注元となる公共工事に際し、登録された技術の活用を提案することで、工事成績評価の加点対象となる。新技術を登録した企業は、多くの現場で登録された技術が採用されることにより、導入効果の検証や評価を行うことができ、さらなる技術改善や開発にも結び付けることが可能となる。

今回登録された「WX1033」は、橋梁をはじめ、老朽化が進む社会インフラ構造物や製造設備などの施工品質の確保や予防保全・健全化監視を目的に広範囲なモニタリングができるセンサである。OKI独自のSDH-BOTDR(注1)方式を採用することで、長距離・広範囲にわたる温度・ひずみを分布的かつリアルタイムに測定できる。これにより、重要な点検箇所を含めた漏れのないモニタリングが可能となるといった施工性の観点や、温度とひずみの複数指標値で判断が可能となるといった品質の観点で効果が期待される。

社会インフラ構造物や製造設備の老朽化は深刻な社会課題となっており、広範囲なモニタリングの必要性はますます高まっている。OKIは、今回の登録を契機に、公共事業の施工現場における具体課題への対応力を強化し、光ファイバーセンサを活用した遠隔監視や常時リアルタイム測定、AIによる自動判断などにより、社会インフラの予防保全に従来以上に貢献していくとしている。

注1:SDH-BOTDR
SDH-BOTDR(Self Delayed Heterodyne -BOTDR:自己遅延ヘテロダインBOTDR)は、OKI独自の新技術(特許取得済)により、「ブリルアン散乱光」の周波数の変化を電気信号の位相シフトに変換して捉えることで大幅に測定時間を短縮した新たな光ファイバーセンシング手法。

プレスリリースサイト(OKI):https://www.oki.com/jp/press/2021/08/z21040.html