RISC-V Vector Extensionを実装したプロセッサとしてISO 26262 ASIL D Ready認証を取得

(株)エヌエスアイテクス(以下「NSITEXE」)が開発するDFP(Data Flow Processor)「DR1000C」が、SGS-TÜVのISO 26262 ASIL D Ready認証を取得しました。RISC-V Vector Extensionを実装したプロセッサとして、ISO 26262 ASIL D Readyの認証を受けるのは、世界初*になるという。

DR1000Cは、セーフティクリティカルシステムをターゲットとした車両制御マイコンに求められる高負荷演算処理(モデル予測制御やAI推論、センサー処理等)をオフロードするのに最適な並列プロセッサIP。最大16個のハードウエアスレッドがベクトルプロセッサを効率的に使用することで非常に高い電力性能を実現している。DR1000Cは車両制御に適しているだけでなく、FA等の産業機器、RADAR等のセンサ処理など、様々な組込み領域のアプリケーションへの応用が可能である。

 DR1000Cには、メモリの誤り訂正コード(ECC)やプロセッサ部のデュアルコアロックステップ機構、バスのプロトコル診断機能、自己診断用のエラー注入及び各エラーのホストへのレポートやステータスを管理するエラーマネジメントユニットなどハードウエアランダム故障を検出する機能が統合され、外部に特殊な安全機構を追加せずにASIL Dの安全要求を達成することが可能である。高い性能の核となるベクトルプロセッサ部は実行するアプリケーションの性能要求とASILによってロックステップ診断とソフトウエア診断を切り替えて使用でき、あらゆるユースケースへの対応が可能な汎用性の高い仕様となっている。
ロックステップ診断を使用することでASIL D基準、今後リリース予定のソフトウエア診断ライブラリと組合せることでベクトルプロセッサの演算能力をフルに活用しながらASIL C基準を達成することが可能となる。
 
 同じくASIL D準拠で開発中のDR1000C-SDK(Software Development Kit)が提供する安全で正確なスレッド制御やメモリ保護・時間保護機能及びISO 26262に準拠したツールチェーンを活用することで、ユーザーはアプリケーション開発に専念することができ、開発期間を短縮することができる。SDKに含まれるスレッド制御ソフトウエアにはリアルタイムタスクの優先実行やスレッド実行監視などセーフティクリティカルシステムで必要な様々な機能が備わっている。

 DR1000C-HSK(Hardware Safety Kit)では、故障モード影響診断解析(FMEDA)、セーフティマニュアル、セーフティケースレポート及びISO 26262関連のドキュメントを提供し、車両制御マイコンの機能安全性解析と認証取得の期間を短縮できる。またDR1000CはISO 9001品質マネジメントシステムに基づいて開発されており、厳しい車載品質へも対応しているとのこと。

* 2021年6月30日現在、エヌエスアイテクス調べ

ニュースリリースサイト(nsitexe):
https://prtimes.jp/a/?f=d82721-20210712-c59d36f61bfa2176f4ac2e19fb8aa487.pdf