ロボットの「鋭い目」ams OSRAMが3Dセンシングのポートフォリオを拡充

ポイント
・Belago1.1ドットプロジェクタは、VCSELチップと光学系、そして堅牢なパッケージを組み合わせている。
・このコンポーネントは高解像度の環境マップを作成し、ロボットが人や障害物との衝突を避けることを可能にする。
・Belago1.1は、3つの3Dセンシング法すべてに対する、ams OSRAMの包括的なポートフォリオを拡充する。

ams OSRAMは、Belago1.1ドットプロジェクタでその3Dセンシングのポートフォリオを拡充する。自動運転車が主流になるまでにはまだ時間がかかる一方で、ロボットや無人搬送車はこれまで以上に進化し、より多くの役割を担うようになっている。このような流れを後押ししているのが、3Dセンサ技術の分野における技術開発と言える。これらのシステムの重要なコンポーネントが、ams OSRAMのBelago1.1をはじめとする赤外線光源である。このドットプロジェクタは、VCSELチップと特殊な光学系、およびロボットや無人搬送車(AGV)のアクティブステレオビジョン(ASV)による環境センシングに理想的な、堅牢性の高いパッケージを組み合わせている。

■マイクロレンズアレイによる特殊なドットパターン
Belago1.1のランダムドットパターンは、赤外線VCSELと独自の光学システム(マイクロレンズアレイ、MLA)を組み合わせて生成される、5,000に及ぶ個別の光ドットから構成されている。これにより、2つの赤外線カメラによる画像のコントラストが向上し、高品質な環境マップの作成が可能となっている。Belago1.1は波長940ナノメートルの光を発射し、最大750mWの光出力を実現している。1~3メートルの距離でロボットの進路を確実に検知し、衝突を回避することができる。このドットプロジェクタは、VCSELチップ、マイクロレンズアレイ、パッケージを1つのコンポーネントに組み込んでいるため、システムメーカーの集積化作業を大幅に軽減することができる。
また、4.2mm×3.6mm×3.3mmというコンパクトなサイズは、顧客の省スペースなシステム設計を可能にする。さらに、眼の安全を確約するため、独立した安全なコンポーネント(いわゆるインターロック)を組み込んでいる。このコンポーネントは、光学系の破損や取り外しを検知すると、直ちに光源をオフにする。

Belago1.1ドットプロジェクタは、ams OSRAMの包括的な3Dセンシングポートフォリオを拡充する。このデバイスは、VCSELチップ、光学系、パッケージを組み合わせたもので、システムメーカーの集積化作業を大幅に簡素化する。

アクティブステレオビジョンソリューションの一部として、Belago1.1は高解像度の三次元環境マップを作成し、移動型ロボットが人、およびフォークリフトといったその他の車両との衝突を避けることを可能にする。

3Dシステムで使用されるBelago1.1ドットプロジェクタは、アクセス管理や決済端末の顔認証など、高解像度の三次元マップを必要とする新しいアプリケーションの追加を可能にする。また、物流現場でのカメラによる体積計測や、ゲーム、ホームジム、デバイスコントロールといった、コンシューマ製品でのジェスチャー検知などのアプリケーションも容易に実現できる。

ams OSRAMは、Belago1.1ドットプロジェクタと、それに組み込まれたアクティブステレオビジョンシステムの3D性能を評価するための3Dカメラ評価キット、Hermesを提供している。このキットは、お客様のコンポーネント評価とシステム評価を支援するために設計されている。追加のソフトウェア開発キットにより、Hermesはさまざまな環境に簡単に組み込め、ラボで概念実証を構築することができる。
Belago1.1以外にも、ams OSRAMは、アクティブステレオビジョン(ASV)、ストラクチャードライト(SL)、タイムオブフライト(ToF)の3つの3Dセンシング法すべてに対応した、照明モジュールとセンサの包括的なポートフォリオを有しているという。

ニュースリリースサイト(ams):https://ams.com/ja/-/belago1.1-dot-projector