アイポアと阪大の新型コロナウイルスの迅速検査に対する取り組み

OUVC(大阪大学ベンチャーキャピタル(株))1号ファンドの投資先であるアイポア(株)と大阪大学が共同で研究を進めている新型コロナウイルスの迅速検査に対する取り組みが、英国科学誌「Nature Communications」に掲載された。

 今回の取り組みは、アイポアが開発する「アイポア微粒子分析ソリューション」(※1)を活用して、患者の唾液から新型コロナウイルスの陽性陰性を5分という短時間で計測するもので、約90%以上の感度・特異度での診断結果が実証できている。実際に、本検査法を用いた大規模フィールドテストを2021年の春のセンバツ高校野球で実施し、PCR検査との一致率100%を達成している。
今回の取り組みにより、新型コロナウイルスの臨床現場即時診断とスクリーニング検査の実現が期待されているという。

 なお本研究開発は、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)による「AMED令和2年度ウイルス等感染症対策技術開発事業(実証・改良研究)」の補助事業名「ナノポア技術と機械学習を用いた新型コロナウイルス検査法に関する研究」で支援を受けている。

 OUVCとしても、今回の「Nature Communications」への掲載はアイポアの本研究開発の成果が評価された大きな一歩考えており、閉塞感漂うコロナ禍の社会を変革すべく1日でも早い実用化を期待している。

※1 アイポア微粒子分析ソリューションについて
本ソリューションは、アイポアセンサモジュール(NOK製および朝日ラバー製)、微粒子計測装置(アドバンテスト製)、 AIソフトウェアAipore-OneTM(アイポア開発/運営)から構成されており、全てアイポアが販売している製品になる。なお、本ソリューションは、理化学研究用微粒子分析を目的とした製品であり、医療機器ではない。

プレスリリースサイト(OUVC):https://blog.ouvc.co.jp/topics/210617-0