陸上・海面養殖、水質検査などIoTマリンテック事業を「i-ocean」としてブランド展開

(株)アイエンターは、IoT・AIのテクノロジーを活用した、養殖業における水質監視や、魚体サイズ推定の技術を「i-ocean(アイオーシャン)」としてブランド展開を開始した。

海面養殖、陸上養殖では、生簀内の水温や酸素含有度など水質が魚の生育に大きく影響を与えるため、水質データのモニタリングが欠かせない。従来は、水温を測る、匂いの変化をとらえる、目視で確認するなど熟練者の経験に頼ることが多く、時間や人手がかかり、属人化による後継者不足などの課題があった。
アイエンターは5年前より先端技術開発の経験と知見を活かし、​山口県防下松市や愛媛県宇和島市などで実証実験、研究開発を進め、海面養殖、陸上養殖の生簀の水質計測を自動化する「IoT水質センサー」の提供を開始していたが、のちに提供開始した「⿂体サイズ算出装置」とあわせて、マリンテック事業を「i-ocean」としてブランド展開し水産業への貢献を図ったという。

【IoT水質センサー 技術概要】
本製品は各水質センサから自動計測されたデータを、3G回線やWi-FiでAWSへ蓄積し、Webブラウザから水質データをリアルタイムで参照できる。
水質データの計測推移をグラフや一覧で表示でき、過去データを参照し水質異常時にアラートの通知が可能。

<水質計の種類>
・水温/溶存酸素/導電率(塩分濃度)/クロロフィル/pH/ORP/濁度 など
・3本の異なる水質計で同時計測が可能、組み合わせ自由
・延長ケーブルで水深10m以上での計測が可能
<データ送信>
・3G/WiFiに対応
<給電方式>
・太陽発電/コンセント給電の両方に対応
<Web管理画面>
・センサーのデータが閲覧可能なWeb画面
・時間ごとの水質変化をリアルタイムで、グラフや一覧で閲覧が可能
・異常水質に対して、メール等でリアルタイム通知が可能

■陸上養殖水質センサ
・水温/溶存酸素/塩分濃度/pH/アンモニア/ORPを計測
・USB給電でコンパクト
・モバイルバッテリーで活魚配送トラックでも使用可能 <設置実績>山口県・下松市笠戸島

■海洋センサ
・水温/溶存酸素/塩分濃度/pH/クロロフィルを計測
・陽光発電でバッテリー充電不要
<設置実績>神奈川県・相模湾/北海道・知内町/山口県・下松市/広島県・福山市/千葉県・富津市

■環境水質センサ
・溶存酸素/pH/ORP/濁度を計測
・河川や湖沼の水質測定が可能
・工場排水の水質管理が可能
<設置実績>北六甲(ゴルフ場池)

【魚体サイズ推定技術概要】※画像参照
 「⿂体サイズ算出装置」は、持ち運び可能な水中ステレオカメラで魚を撮影し、ディープラーニングの物体検出技術によって魚体を検出、同時に魚の位置情報から、魚の体長(上顎先端から尾鰭基底まで)と体高(背縁から腹縁まで)を測定する。測定したデータは測定記録のデータとしてデータベースに保存され、管理蓄積データの分析、活用が可能。

 この技術の活用により、非接触測定で魚に負担をかけることがなく正確な測定が可能となり、計測による魚の斃死や魚病リスクも回避でき、高付加価値化が期待される。また、給餌量の最適化によるコスト削減、生産活動の省力省人化、担当者のスキルに依存しない測定精度と生産性の向上が実現でき、担い手確保課題への貢献が期待されるとのこと。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000022582.html