電力変換の高効率化・簡略化に貢献する高集積の1.5A同期整流式DC-DCコンバータ

STマイクロエレクトロニクスは同期整流式DC-DCコンバータ「L6981」を発表した。
高効率DC-DCコンバータの製品ファミリを拡充する同製品は、パワー素子、フィードバック回路および安全機能を集積しており、電源設計の簡略化に貢献するという。

L6981は、最大1.5Aの電流を負荷に供給し、全負荷時に90%(Typ.)の効率を実現する。軽負荷時の効率、またはノイズ性能を最適化した2品種を提供している。
軽負荷モード向けの「L6981C」は、パルス・スキッピングを使用して軽負荷時の効率を最大化することができ、バッテリ駆動機器の動作時間を延長する。ノイズ性能が最適化された「L6981N」は、スイッチング周波数が一定のPWM(パルス幅変調)モードで常に動作し、軽負荷時の電圧リップルを最小限に抑えるとのこと。

両製品共に、3.5V~38Vの入力電圧に対応しているため、24Vのバス駆動による産業機器や、12V / 24Vのバッテリ駆動機器、冷暖房空調設備の電源、分散型のIoT機器、スマート・センサのほか、常時動作するアプリケーションに最適。出力電圧は、外部抵抗を使用することで、0.85Vから入力電圧値まで調整可能。

内蔵機能には、ハイサイド / ローサイドNMOSパワー・トランジスタ、フィードバック・ループ補償、過電圧保護、過熱保護などがある。ソフトスタート回路も内蔵しているため、突入電流を制限して出力電圧スロープを一定に保つことが可能。また、イネーブル・ピンにより、パワーアップ / パワーダウンのシーケンス制御が可能で、L6981Nではクロック信号を印加して同期させることができる。L6981は、STによる10年間の長期供給保証の対象製品であるという。

電源開発において迅速な製品選定に貢献する評価ボード「STEVAL-L6981CDR」(L6981C用)および「STEVAL-L6981NDR」(L6981N用)も提供されているとのこと。

L6981は現在量産中。堅牢で実績のあるSO8Lパッケージで提供され、単価は1000個購入時に約1.00ドル。

ニュースリリースサイト(ST):https://newsroom.st.com/ja/media-center/press-item.html/n4338.html