STM32マイコンで低コストのコンピュータ・ビジョン開発を可能にするエッジAI スタータ・キット

STマイクロエレクトロニクスは、汎用32bitマイクロコントローラ(マイコン)STM32*ファミリ用のソフトウェア・パッケージ「FP-AI-VISION1」およびカメラ・モジュール・キット「B-CAMS-OMV」を発表した。
これらの製品により、STM32マイコンを搭載したシステムで動作する高性能のコンピュータ・ビジョン・アプリケーションを低コストで開発することができるという。

FP-AI-VISION1には、STM32H747マイコン上で畳込みニューラル・ネットワーク(CNN)を実行するコンピュータ・ビジョン・アプリケーションのサンプル・コードが含まれており、これらはすべてのSTM32マイコンに簡単に移植することができる。また、開発者が選択したデータ・セットを使用してニューラル・ネットワークを再学習させることができるアプリケーション・サンプルも含まれているため、さまざまな用途に柔軟かつ高い自由度で利用することができる。
さらに、画像取得用のシンプルなUSB ビデオ・カメラ(ウェブカメラ・モード)をサポートするとともに、食品の分類や、低消費電力モードからシステムを再開する際のトリガとして利用可能なユーザ検知などのサンプル・コードが含まれている。STM32 wikiでは、オンライン・ツール「Teachable Machine」を活用して、STの組込みAI開発ツール「STM32Cube.AI」とFP-AI-VISION1による画像分類アプリケーションの開発方法について解説しているとのこと。

FP-AI-VISION1向けに最適化されたカメラ・モジュール・キットであるB-CAMS-OMVには、トレーニングや導入に必要なハードウェアが含まれている。同キットには、5Mピクセルのイメージ・センサ「OV5640」を搭載したSTのカラー・カメラ・モジュール「MB1379」が同梱されており、アダプタ・カードに装着して使用できる。このアダプタ・カードは、すべてのSTM32 Discoveryキット、およびZIFコネクタを備えた開発ボードとの互換性を有している。また、STの車載用グレースケール・グローバル・シャッター機能搭載カメラ「VG5661」にも使用可能。
さらに、WaveshareコネクタとOpenMVコネクタを搭載しているため、他社製の赤外線カメラや可視スペクトル・カメラを取り付けることで、さまざまなコンピュータ・ビジョン・アプリケーションに対応することができる。STM32 wikiでは、STM32Cube.AIで生成したコードをOpenMVのエコシステムに統合する方法について解説しているという。

FP-AI-VISION1には、さまざまなフレームバッファ処理機能、カメラ・ドライバ、画像取得、プリプロセッシング、およびニューラル・ネットワークの推論処理などのソフトウェアが含まれている。STの人工ニューラル・ネットワーク用Cコード生成ツール「X-CUBE-AI」で生成された浮動小数点ベースのモデルや量子化モデルなど、複数のニューラル・ネットワーク・モデルが利用可能。また、柔軟なメモリ設定が可能なため、アプリケーションに応じた微調整も可能とのこと。

FP-AI-VISION1は、STのウェブサイト( www.st.com )から無償でダウンロードできる。B-CAMS-OMVは、www.st.comおよび販売代理店から入手可能で、参考価格は約56.00ドル。

*STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標。STM32は米国特許商標庁に登録されている。

ニュースリリースサイト:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001134.000001337.html