一次電池駆動の危機管理型水位計を 『寺家ふるさと村』農業用ため池にて実証開始

(株)イーラボ・エクスペリエンスは、洪水等の水害による被害を減らすことを目指して開発した、業界最小クラス※となる一次電池駆動式の危機管理型水位計(自律型)『Field-EX(フィールド・イーエックス)』を、横浜市が農業振興地域・農用地区域の景観保全と地域の活性化のために指定・整備している『寺家ふるさと村』(神奈川県横浜市青葉区寺家町)内の農業用ため池における洪水被害を最小限にすることを目的に、実証実験を開始した。

イーラボ・エクスペリエンスでは、2019年より国土交通省が普及推進する、危機管理型水位計の課題となる“正確な水位の測定と確実な通信の実現”および“設置コストの低減化”を目指した自律型の危機管理型水位計を開発・提供している。
今回、同社にとっての原点である“農業”に欠かせない、“ため池”における水位管理の有用性を確認するために実証を実施するという。
この危機管理型水位計は、“システムの省電力化”と“電池サイズのコンパクト化”を図ることで、現在流通する製品より50%以上※サイズダウンしたコンパクトな水位計システムで、ため池のような、大規模な工事を行いにくい場所などでも容易に設置しやすい製品です。また、省電力技術による電源制御や測定・通信技術など、各分野のリーディングカンパニーが培った技術を活用することで開発コスト抑制に成功し、従来製品の約半分の価格※での提供を可能にした。
さらに、電池式の水位センサやクラウド環境とビューアー、メール通知、センサに蓄積されたデータを保存する機能(ロガー機能)といった総合ソリューションを一元的に提供している。今後はロガー機能により蓄積されたデータと気象予報データと組み合わせ、より精度の高い洪水予測を行えるよう開発を進めているとのこと。

近年の都会では大変貴重となる昔ながらの田園風景を後世に残すための横浜市の水田保全活動に賛同し、防災面でサポートするため、『寺家ふるさと村』の運営を支援する横浜市の協力の元、この実証に至ったという。

該地域における降雨時の水位状況は、ネットワークに接続されたパソコン、タブレットやスマートフォン等から確認できる専用ビューアーにて、リアルタイムかつ的確に把握することができまる。なお、今回の実証実験には別途、屋外乾電池式IoTカメラ「FieldCam(フィールドカム) FC-1000」を設置し、荒天など現場に近づけない場合でも、離れた場所から正確かつ詳細に状況を把握できるシステムを構築した。
この実証実験では、台風や豪雨時におけるため池水位の状況把握と、スムーズな危険通知が行われるかを検証しする。また、降雨量と水位増加の相関関係による危険水位上昇の予測ができるかの検証も併せて行う。これにより、住宅と農地が近接する都市における、ため池周辺地域の防災と水田保全にどの程度寄与できるかを把握し、地域住民の安全確保の一助となることを目指すとしている。

【実証概要】
設置場所 :『寺家ふるさと村』内 農業用ため池2か所(神奈川県横浜市青葉区寺家町)
設置機器 :(1)Field-EX(フィールド・イーエックス)
      (2)FieldCam(フィールドカム) FC-1000

※(一財)河川情報センターに登録された一次電池式の圧力式危機管理型水位計において。(2021年1月時点)
 イーラボ・エクスペリエンス調べ。

プレスリリースサイト(elab-experience):http://www.elab-experience.com/fieldex/pr0001.html