ボッシュ、デジタル画像認識技術採用の車両整備機器「DAS3000」発売

ボッシュ(株)は、このたび、自動車整備業界初※1となるデジタル画像認識技術を採用した整備機器「DAS3000」を12月7日に発売した。

近年90%以上※2の新車(乗用車)に搭載されている先進運転支援システムのカメラやレーダーなどのセンサ類は、高精度の再調整作業(以下、「ADASエーミング作業」)を必要とし、昨年、新しい整備制度に加えられた。しかし、その作業方法はアナログな測定作業も多く、さらに車種やカメラ・センサーの種類によって手法が異なるため、作業時間が長くなり、また人的ミスが起きる可能性もある。
ボッシュの「DAS3000」は、業界初デジタル画像認識技術採用により、これらの煩雑な作業をデジタル化し、効率的で、高精度なADASエーミング作業を実現する。また、幅広い種類の車種やセンサにスムーズに対応するため車両整備・修理のビジネスの幅を拡大することが可能という。

近年普及が進む自動ブレーキや、レーンキープアシストなどをはじめとするADASは、単眼・複眼カメラやミリ波レーダーなどが検知した情報をもとに作動しているため、車のセンサに「基準点」を正確に認識させるADASエーミング作業は車の安全にも影響する。※3 そのため昨年4月には、このADASエーミング作業を含む新しい車両整備制度が施行された。 この作業では、まず「ターゲットボード」と呼ばれる的を、車両に対して正確に配置する必要がある。
しかし、これらは現在、巻尺やレーザー距離計を使用して床へのマーキングを行うなど、多くのアナログ作業により行われている。 さらに、メーカーや車種によりカメラやレーダーの種類、位置、調整方法、基準が異なるため、ADASエーミング作業を伴う修理・整備は作業効率の低下、また担当者や不適切な作業環境に起因する作業ミスの可能性が課題となっているとのこと。

今回、世界トップクラスの自動車システムサプライヤーとして国内外の次世代自動車開発にも携わる同社が発売した車両整備機器「DAS3000」は、業界初※1、デジタル画像認識技術を採用しており、本体に搭載されたカメラによる高精度な距離・角度計測により「基準点」の位置決めを短時間で正確に行う。また、専用ソフト「Bosch ADAS Positioning」では、車種ごと異なる作業ガイド(アクセサリー機器、車両の中心線に対するガイド等)をソフトウェア上で作業者に案内するため、煩雑なアナログ作業を削減し高精度かつ高い作業効率を実現する。さらに、「DAS3000」は近年増加しているナイトビジョン・サラウンドビューモニター・LiDARなど幅広いセンサのエーミング作業への拡張への可用性も考慮されており、車両整備・修理のビジネスの幅を拡大する事が可能となるという。

ボッシュは、先進運転支援システム(ADAS)の普及に伴い大きく変化する車両整備の現場を5つのトータルソリューション(工場監査・認定トレーニング・ツール・作業エビデンス・ホットラインサービス)でサポートしている。今回発売した「DAS3000」により強化された同社のソリューションは、新たにADAS 車両整備を検討している整備工場をよりスムーズで安全にサポートするとしている。

※1 2020年12月現在自社調べ
※2 2020年現在
※3 国交省 自動車整備技術の高度検討会 「中間とりまとめ」より

ニュースリリースサイト(bosch):https://www.bosch.co.jp/press/rbjp-2101-01/